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久保建英は「歴史的偉業」を達成できるか 地元スペイン人記者が現状を分析、CLラウンド16突破への期待を語った (2ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【PSG戦は何かが起こる。その理由は久保】

 ラ・レアルは今季、ヨーロッパを驚かせているクラブのひとつとなっている。それはCLで"偉大な夜"を何度も成し遂げたためだ。

 ラ・レアルは近年、ヨーロッパリーグ(EL)で最後まで勝ち抜くことなく敗退し、大きなインパクトを残せていなかった。しかし今季は例年と違い、ワンランク上の大会で崇高かつ勇敢なパフォーマンスを発揮している。

 今大会最少失点を誇る堅固な守備と、敵陣で最も多くボールを奪っている強力なプレスを武器に、個人としても組織としても優れたプレーを披露した。

 これにより、レッドブル・ザルツブルクとベンフィカ相手に3勝を達成。さらに欧州最高峰のレベルにあるインテルに2試合とも引き分けるという好成績を収めた。

 だからこそ、PSG戦では何かが起こるかもしれないという大きな期待がある。ラ・レアルが負けるのは普通のことであり、失敗ではない。その一方、もし勝ち抜けられれば、ギプスコア(レアル・ソシエダが拠点とする県)全体が歓喜と幸福感に包まれることになる。

 そしてそれが起こると信じられる理由のひとつが、久保の存在だ。

 この日本人選手には、マルキーニョス、ミラン・シュクリニアル、アクラフ・ハキミ、リュカ・エルナンデスといった選手たちで形成されるPSGのDFラインを突破するという厳しいミッションが待ち構えている。

 PSGの守備陣を打ち負かすのは難しく、ボールを持てる時間が少なくなると予想されるが、相手に飲まれることなく自分のプレーを誇示し、相手を欺き、より存在感を示す必要がある。

 彼に期待するのはサイドを突破し、壁パスで味方と連携し、DF裏に走り込み、シュートを打つこと。それには最近より増してきているスピードを生かす必要があるだろう。

 PSGはサイドに大きく開いてプレーし、エムバペが重要な局面で決定的な働きをする高い得点力を備えたチームだ。その一方、個々のクオリティーが高いにもかかわらず、堅固さに欠けている。

 さらに今のPSGはリニューアルされた若いチームで、以前のようなビッグマッチでの経験があまりない。そのためラ・レアルはグループリーグわずか2失点という高い守備力を生かし、失点さえ許さなければ、彼らを大いに苦しめることができるはずだ。

 第1戦はアウェーのパルク・デ・プランスで2月14日に行なわれるが、イマノル・アルグアシル監督率いるチームはこれまで、ビッグクラブ相手に敵地で互角に渡り合ってきた。

 カンプ・ノウ(バルセロナ)、サンティアゴ・ベルナベウ(レアル・マドリード)、シビタス・メトロポリターノ(アトレティコ・マドリード)、オールド・トラフォード(マンチェスター・ユナイテッド)、ジュゼッペ・メアッツァ(インテル)、ダ・ルス(ベンフィカ)といった名だたるスタジアムですばらしい結果を出しているため、PSG相手でも十分勝機はある。

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