久保建英は「歴史的偉業」を達成できるか 地元スペイン人記者が現状を分析、CLラウンド16突破への期待を語った (4ページ目)
【今季序盤の決定力や効果を発揮できていないが...】
インテル戦後にホームに迎えたラ・リーガのベティス戦は、ラ・レアルにとってそれまで公式戦で7試合続けて勝てていないばかりか、500分以上ゴールを奪えていない苦手な相手との待ち望んだ一戦だった。
これまでの鬱憤を晴らすべく、イマノルができる限りのベストメンバーを組んだなか、久保は再び先発出場。ボールをキープして再び相手の注意を引き、右サイドを何度も突破してペナルティーエリア内でチャンスを作り、チームのベストプレーヤーのひとりとなった。
また初先発となったアンドレ・シウバがセンターフォワード(CF)に入ったことで、より多くのスペースを得ることができた。そして終盤、久保はウマル・サディクのパスから決定的チャンスを迎えたが、左足のシュートはコースをうまく突けず、GKにセーブされた。
この日はまた、25年前にアトレティコ・マドリードのウルトラスによって殺害されたアイトール・サバレタ氏を追悼するというラ・レアルにとって非常に特別な日であったが、ベティス相手に再びゴールも勝利も手にできなかったのは、久保が今季序盤に見せていたような決定力や効果を発揮できていないのも理由の1つと考えられる。
CLラウンド16はアジアカップ後のまだ先のことだが、新たな舞台に挑戦することは久保がベストの状態を取り戻すため、もしくはそれをさらに向上させるための大きなモチベーションになるかもしれない。
(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)
著者プロフィール
高橋智行 (たかはし・ともゆき)
茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。
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