久保建英は「どんなFWともコンビを組める」ソシエダのレジェンドがストライカーの視点で語る (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【偉大な選手になるには?】

「ただ、タケはタケのプレーを見せるべきだろう。彼はラ・レアルという最高の場所を見つけた。あとは自信を持ってやり続けるだけだよ。長く高水準のプレーを続けるのは、いろいろな要素があって簡単ではないはずだけど......。

 タケにとって、CLはきっと大きなステップになるよ。決勝トーナメント進出が目標だろうけど、十分に戦えると思う。もちろん、出場するチームはどこも強いけど、怯むべきじゃない。だって、昨シーズンはヨーロッパリーグでマンチェスター・ユナイテッドを堂々と破っているわけだし、いい戦いになることを信じているよ」

 アギレチェはケガさえなかったら、ラ・レアル史上最多得点を記録していてもおかしくなった。最後は契約が残っていたにもかかわらず、自ら引き際を決めた。それは、清廉なるラ・レアルの選手としての自負だろう。

 そこで、最後に訊ねてみた。

――ラ・レアルで才能を開花させた久保が、偉大な選手にたどり着くには何が必要か?

 山男を思わせる風体のアギレチェは、鷹揚な笑みを洩らしながら答えている。

「自分が彼にアドバイスできることなんてないよ(笑)。タケはすでにサンセバスチャンという町にも、ラ・レアルというクラブにも適応している。家族がいて、彼の弟もユースでプレーしているのもアドバンテージかもしれないね。

 タケはすでに大きなクラブで活躍をしているし、CLの出場権だって勝ち取った。それは簡単なことではない。彼自身、ラ・レアルでのプレーを楽しんでいるようだし、それこそが、さらに成長、活躍するためのカギになるんじゃないかな? 彼が幸せに見えるかどうか。繰り返すけど、それが選手にとっては一番大事なんだ」

Profile
イマノル・アギレチェ
1987年、ウスルビル(バスク)生まれのFW。レアル・ソシエダの下部組織出身で、2005年、トップチームデビュー。レンタルで2006-07シーズンをカステジョンで過ごしたのを除き、現役を引退する2018年までレアル・ソシエダひと筋でプレーした。

久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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