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久保建英は「どんなFWともコンビを組める」ソシエダのレジェンドがストライカーの視点で語る (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【「タケはひらめきの選手」】

「タケをひと言で称するなら、『Versatil(汎用性が高い、ポリバレント)』だろうね。とにかく、なんでもできる選手だ。

 まず、テクニックのレベルが非常に高い。俊敏性もあって、稲妻を連想させる。ドリブルでのリズムチェンジが人並み外れているから、相手を置き去りにできる。堅い守りも崩せるのさ。

 そしてディシプリンもあるね。小柄だが、フィジカルの強さを90分間のなかでずっと出せる。相手ディフェンダーへのプレスを高い強度でリピートした後、攻撃の精度が落ちないのは、本当に驚きに値するよ。

 どんなFWとコンビが合うか? うーん、お世辞ではなく、誰とでも組めると思うよ。もちろん、相性の度合いはあるだろうけどね。

 もし自分がタケとプレーすることがあったら、タケは連携する能力が人一倍高いから、なるべく近い距離を取ろうとするだろうね。たとえば必ず壁パスは意識する。自分がスペースを作って、そこを使わせるようにしたり、その逆もある。それに、タケはサイドにいるとしても心強いよ。たとえどんなにマークされても、しっかり準備していれば、『ラストパスやクロスが入ってくる』と信じられる。その信頼をチームメイトに与えられているのは大きい」

 2013-14シーズン、アギレチェはラ・レアルのストライカーとしてCLを戦っている。この時はグループリーグ敗退に終わったが、フランス代表アントワーヌ・グリーズマン、メキシコ代表カルロス・ベラという天才レフティを擁した攻撃は破壊力があった。

「タケは同じ左利きアタッカーでも、たとえばグリーズマンとはあまり似ていないね。グリーズマンは強度が高い選手で、アップダウンをしながらハードなプレーで、ゴールに向かうアタッカーだった。一方で、タケは『chispa(火花、ひらめき)』の選手だよね。一瞬が勝負、アクセルとブレーキのところで上回り、相手を翻弄できる。ドリブルに入ると、手がつけられない。

 その点でタケはベラとは少し似ているかもしれないね。ベラはとにかくドリブルが好きで、相手のファウルを誘ってイエローを出させたりしたし、FKを蹴ることもできた。閃光を放つというか、選手としてのクイックネスのところは共通しているね」

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