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久保建英はなぜ止められないのか? レアル・ソシエダの伝説的サイドバックが指摘「メッシに似ているよ」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【「スタートはサイド」が適性】

「自分は右サイドバックが多かったから、左利きのタケが左サイドでプレーする場合は、できることは限られているから、どうにか対処できただろうという自信はある。同じように優れたレフティとは何回もやったから。ただ、もし左サイドバックで、今の彼と対戦することがあったら、悩ましい。オプションがたくさんあるから、それに対処するのは大変だ」

 久保は今やチームの中心となりつつあるが、ベストポジションはどこなのか。レカルテは、サイドバックらしい分析をした。

「今のところ、タケはサイドでダメージを与えている。ただ、固定しているわけではなくて、時にポジションを変えながら、中でもプレーしている。サイドがスタートポジションなだけで、トップ、トップ下とも言える。フレキシブルな攻撃が一番、脅威になるだろう。

 イマノル(・アルグアシル監督)も、スタートはサイドでプレーしてほしいようだね。なぜなら、カウンターに入った時も、久保はスピードもあるから、サイドから単独で活路を開ける。これはチーム戦術としては大きい。いろんな選択肢を持っているからこそ、危険な選手として恐れられているんだ。

 タケは今まで所属したチームと違い、ラ・レアルでは自信を持ってプレーしている。それが爆発につながっているのだろう。サンセバスチャンという町、ラ・レアルというクラブ、そしてタケ自身が、スペインに来て成熟するタイミングがマッチしたんだ。

 タケは、ラ・レアルでのプレーに集中できているのがいい。他のオファーに目も向けなかった。チームメイトに話を聞いても関係性はいいようで、それは重要なことだよ」

 最後に、久保が次のステージに進むために必要なことを聞いた。

「さらに世界的な選手になるには、才能や実力だけでなく、いろんな要素が大事になる。ケガがあるかもしれないし、監督と合わないこともあるかもしれない。一流の選手は、そこでの運を持っているものだよ。また、大舞台での戦いで、驚くような飛躍を遂げる選手もいる。その点でもCLは力を試される舞台になるだろう」

Profile
ロペス・レカルテ
本名アイトール・ロペス・レカルテ。1975年、バスク州生まれのDF。レアル・ソシエダの下部組織出身で1997-98シーズン、トップチームデビュー。2007年、アルメニアに移籍。2009年、エイバルで現役を引退。2004年にはスペイン代表に選ばれている。

久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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