旗手怜央が明かす移籍問題の真実「ステップアップに懸けていた」 この夏は「期待と失望の繰り返しだった」 (3ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【自分自身の数字も求めていく】

 そのロジャーズ監督のもとでスタートした2023-24シーズンは、リーグ連覇中とあって、国内では常勝を義務づけられ、負けることが許されないチームでプレーしている難しさも感じている。新しいサッカーを模索しながら、引いて守備を固めてくる相手に対してどう崩していけばいいのか。その道をトップ下の位置で、自分が見つけ、チームに示していかなければならない。

 昨季リーグ得点王になった(古橋)亨梧くんも、今季は前線でボールを受ける回数が少ないため、中盤に降りてくる機会が増えているように、亨梧くんが生きる形を、自分が確立しなければならない。自分が亨梧くんの近くでボールをもらえた時には、チャンスを演出できているだけに、亨梧くんも自分も下がらない形を構築して、ゴール前で勝負する回数を増やしていく必要があるだろう。

 トップ下としては、自分自身の数字も求めていかなければならない。その追求が、ストロングといえるセールスポイントを作っていくことになると信じている。

 ケガの影響もあり、日本代表の9月のドイツ戦、トルコ戦に招集されることはなかったが、6月のエルサルバドル戦、ペルー戦、10月のカナダ戦、チュニジア戦での活動に参加して、強烈な個の必要性はより実感した。

(三笘)薫にはドリブル、(遠藤)航くんには強さという明確な特徴があるように、日本代表に選ばれる選手たちには、それぞれに自分の存在価値を高める個性が備わっている。今季のセルティックで求められている役割を全う、そしてものにすることで、自分自身の新境地が拓けると思っている。

連載第21回「旗手怜央が言語化する『試合勘』の正体」>>

旗手怜央 
はたて・れお/1997年11月21日生まれ。三重県鈴鹿市出身。静岡学園高校、順天堂大学を経て、2020年に川崎フロンターレ入り。FWから中盤、サイドバックも務めるなど幅広い活躍でチームのリーグ2連覇に貢献。2021年シーズンはJリーグベストイレブンに選ばれた。またU-24日本代表として東京オリンピックにも出場。2022年3月のカタールW杯アジア最終予選ベトナム戦で、A代表デビューも果たした。2022年1月より、活躍の場をスコットランドのセルティックに移して奮闘中。

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