久保建英はインテルに布石を打たれても打開 CLデビュー戦メディアが称賛したワンプレー (2ページ目)
【前半20分すぎからスイッチ】
「試合に入るのに苦労していた」
地元紙『ギプスコア』の評価が低いのは、そこに理由があるのだろうが、「一度フィットすると、またもや決定的な仕事をやってのけかけた」とも記述している。
事実、20分を過ぎると、久保はジャブを放つように二度、三度とボールを受けながら、いったんは下げている。そうしてわずかな隙を見つけると、3人を外し、縦パスを入れ、チャンスを作り出す。これで自分の間合いを作ったのだろう。
40分のプレーは極上だった。2対1の状況ながら、縦に切り込んでマークを無力化し、右足でロビン・ル・ノルマンの頭に完璧に合わせた。シュートはバーの上を越えたが、決定的な一撃だった。
「ル・ノルマンへ上げたボールは、洗練度が贅沢なほどだった。ほとんど不可能な位置からの軌道のクロス」
スペイン大手スポーツ紙『アス』を筆頭に、このプレーには各メディアが称賛を送っている。
スイッチが入った久保は止められない。レアル・マドリード戦で見せたように、左サイドのアンデル・バレネチェアとの釣瓶(つるべ)のような動きで、チャンスを演出。前半終了間際には左サイドに回って、角度のないところから左足で際どいシュートを放っている。この見事な動きには満員の観客から万雷の拍手が降り注いだ。
「この日はブライス・メンデスなどのMFやバレネチェアが健闘したことで、久保はレアル・マドリード戦のようにひとりで攻撃を背負う必要がなかった。そのなかでもル・ノルマンへのクロス、GKヤン・ゾマーを脅かしたシュートは危険なプレーで、後半にCKからミケル・メリーノに合わせたシーンも見事だった」
地元紙『エル・ディアリオ・バスコ』は久保のプレーを丹念に評価していた。
そのとおり、後半に入っても久保はセットプレーのキッカーとして、チャンスを作り出しながら、大きく貢献していた。ただ、1-0で終盤まで推移し、アルグアシル監督が「チーム全体が消耗していた」と振り返ったように、72分には久保もベンチに下がった。単純な馬力があり、本来はサイドバックのアルバロ・オドリオソラを投入しての守備固めだったが......。
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