マンチェスター・シティからは最多の5人 決勝直前、今季のCLベストイレブンを独自選定した

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

 マンチェスター・シティ対インテル。シーズンの最後を飾るチャンピオンズリーグ(CL)決勝¬(現地時間6月10日・イスタンブール)を目前に控えたいま、今季のCLベストイレブンについて記してみたい。

 まずはGKから。ティボー・クルトワ(レアル・マドリード)、エデルソン(マンチェスター・シティ)の争い。準々決勝のナポリ戦で活躍したマイク・メニャン(ミラン)、チームを決勝進出に導いたアンドレ・オナナ(インテル)がこれを追う――という構図だが、ここでは思いきってポルトガル代表の正GKとしてカタールW杯でも活躍したディオゴ・コスタ(ポルト)を選んでみた。まだ23歳。身軽そうでサッカーセンスを感じさせる若手GKだ。近々ビッグクラブに移籍を果たすに違いない。

チャンピオンズリーグではここまで12試合で12ゴールを決めているアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)チャンピオンズリーグではここまで12試合で12ゴールを決めているアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)この記事に関連する写真を見る センターバック(CB)は、ルベン・ディアスとジョン・ストーンズ(いずれもマンチェスター・シティ)を選んだ。前者はシンプルに安定した守備力を、後者はジュゼップ・グアルディオラ監督が採用した可変式布陣の主役として機能した点をそれぞれ評価した。

 ストーンズを語る時、想起するのは、1-1(第1戦)で迎えた準決勝(対レアル・マドリード)第2戦だ。接戦必至とみられたこの大一番で、マンチェスター・シティが4-0で快勝した理由は、その先制点に潜んでいた。

 決めたのはベルナルド・シルバだったが、目を奪われたのはストーンズの位置取りだった。通常のCBならば、およそ構えそうもない右の高い位置でボールを受け、数的優位を形成。決定機を演出した。このワンプレー。筆者には今季のマンチェスター・シティを象徴するシーンに見えて仕方がない。

 次点はアレッサンドロ・バストーニ(インテル)、ミリトン(レアル・マドリード)となる。

 右サイドバック(SB)。ダビデ・カラブリア(ミラン)、カイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)、チームではウイングバックを務めるデンゼル・ダンフリース(インテル)を抑えて選出したのは、ジョバンニ・ディ・ロレンツォ(ナポリ)だ。CLではベスト8で敗れたが、ナポリ躍進は抜け目のない動きをするこの右SBの躍動と密接な関係にあった。

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プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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