マンチェスター・シティからは最多の5人 決勝直前、今季のCLベストイレブンを独自選定した (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

【MFはシティとレアルから】

 左SBはエドゥアルド・カマビンガ(レアル・マドリード)。フランス代表として出場したカタールW杯で、それまでの中盤から左SBとして出場を果たすと、レアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ監督も、フランス代表監督ディディエ・デシャンのアイディアに従った。

 チームは準決勝でマンチェスター・シティの軍門に下ったが、レアル・マドリードが2シーズン連続で"らしさ"を発揮した理由を探ろうとすれば、この配置替えが奏功したことを語らずにはいられない。推進力溢れるプレーで切り札である左ウイング、ヴィニシウス・ジュニオールを下支えした。

 次点はテオ・エルナンデス(ミラン)、アレハンドロ・グリマルド(ベンフィカ)。

 MFは2人のウインガーを含む4人を選んだ。レアル・マドリード2人、マンチェスター・シティ2人の内訳だ。

 まずはフェデリコ・バルベルデ。これまでルカ・モドリッチ、トニ・クロースありきだったレアル・マドリードの中盤は、今季すっかりバルベルデが最重要選手になった。兼ウイングとしてプレーしたこれまでの蓄積が中盤選手としてのスケールを大きく広げたという印象だ。

 左ウイングは、キリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)、ラ ファエル・レオン(ミラン)、ジャック・グリーリッシュ(マンチェスター・シティ)、サディオ・マネ(バイエルン)等々、好選手ひしめくポジションだが、ヴィニシウスを選ぶことに躊躇はいささかもない。直近の2シーズンで最も飛躍した選手。近い将来のバロンドール候補と言ってもいい。

 右ウイングは、ヴィニシウスとは対照的な技巧派のベルナルド・シウバを選びたい。印象に残るのは準々決勝の大一番、対バイエルン戦だ。高度なボール操作を最大の拠りどころに、右サイドでタメを作りバイエルンを翻弄。勝利の立役者となった。

 最後の1人はケヴィン・デ・ブライネ。インサイドハーフのポジションから前線へ飛び出しゴールを狙う、現在の欧州で最も決定力の高いMFだ。象徴的なプレーは準決勝対レアル・マドリードとの第1戦。1-0とリードを許すなか、鋭い突破から蹴り込んだ同点弾だ。このゴールがなければ、準決勝の結果は違っていたかもしれない。

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