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本田圭佑のミラン移籍はタイミングが最悪だった? 16年ぶりのCLベスト4進出で振り返るロッソ・ネロの暗黒時代 (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

【ピルロ、カカ、インザーギ...】

 いずれにしても、これでミランは準決勝に進出。通算7度の欧州制覇を誇る名門クラブにとっては、最後に優勝した2006-07シーズン以来の出来事となった。まだ名門復活と言うのは早計だが、ミラニスタの喜びもひとしおだろう。

 今から16年前──決勝の舞台でミランがリバプールを破ってビッグイヤーを掲げた当時のメンバーは、パオロ・マルディーニとアレッサンドロ・ネスタのCBコンビが最終ラインに構え、中盤はアンドレア・ピルロを中心に、ジェンナーロ・ガットゥーゾ、クラレンス・セードルフ、マッシモ・アンブロジーニで構成。前線にはプレーメーカーのカカと点取り屋のフィリッポ・インザーギが君臨するという、欧州屈指の豪華メンバーを揃えていた。

 しかも指揮を執っていたのは、現在ディフェンディング・チャンピオンのレアル・マドリードを率いるカルロ・アンチェロッティ監督だ。2001年から8シーズンにわたってミランを率いた名将は、その間、CLでは初年度のベスト4を皮切りに、優勝、ベスト8、準優勝、ベスト4、優勝、ベスト16と、無類の強さを誇っていた(最後の2008-09シーズンのみUEFAカップに出場)。

 そんな栄光の時代が暗転し始めたのは、現ユベントス監督のマッシミリアーノ・アッレグリ時代にセリエAで8位に沈んだ2013-14シーズン。とりわけ2013年11月に勃発したフロントの内紛劇が「暗黒時代幕開け」の予兆となった。

 それまで長きにわたって黄金期を支えた元会長で、当時オーナーだったシルヴィオ・ベルルスコーニの娘バルバラが経営の全権を掌握するアドリアーノ・ガッリアーニ副会長を痛烈に批判し、クーデターを画策。結局、オーナーの仲裁で内紛の当事者ふたりによるトロイカ体制という形で決着したが、以降もアッレグリ監督の解任、セードルフ新監督の招聘と、現場の混乱が続いたことで、ついに15シーズン継続していたヨーロッパカップ出場権を失う事態となった。

 ちなみに、そのシーズンの冬の移籍マーケットで迎え入れた新戦力のひとりが、日本の本田圭佑だった。

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