マンチェスター・シティのCLバイエルン戦快勝劇 ロドリは先制シーンでなぜシュートまで持ち込めたのか (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

Answer 
縦への選択肢を囮に切り返し、中央へ運んでミドルシュートを決めた

 マンチェスター・シティのロドリが、芸術的なミドルシュートを決めた場面である。利き足とは逆の足で決めるシュート技術の高さはもちろんだが、そこまでの駆け引きと、バイエルンの犯したミスについても注目したい。

ロドリは縦方向のプレーを囮にしてからの切り返しでムシアラをかわし、左足でミドルシュートロドリは縦方向のプレーを囮にしてからの切り返しでムシアラをかわし、左足でミドルシュートこの記事に関連する写真を見る このシーンは、マンチェスター・シティのカウンターの流れから生まれている。バイエルンの選手はほとんどの選手が自陣に戻り、押し込まれた状態だった。

 ベルナルド・シウバが右サイドでドリブルを仕掛けようとするが2人に囲まれ、ボールを後方に戻した。この時、バイタルエリアにはセルジュ・ニャブリが戻っていた。

 しかし、ボールがジョン・ストーンズに戻されると、ロドリがバイタルエリアにいるにもかかわらず、ニャブリはそのエリアを離れて前線へ戻ろうとした。これが大きな判断ミスとなった。

 次の瞬間、ストーンズからボールを返してもらったベルナルド・シウバは、中央で完全にフリーとなったロドリへグラウンダーのパス。それに気がついたムシアラが、全速力でプレスバックした。

 この時のロドリの駆け引きが巧みだった。背後から迫るムシアラは、ロドリのミドルシュート、あるいはGKとDFの間に差し込まれるパスを読んで、中からコースを切りにいった。しかし、ロドリはムシアラの逆を取るように切り返し、中央へボールを運ぶと左足でファーサイドへ巻いた鮮やかすぎるシュートを沈めた。

 ロドリがどの瞬間にムシアラを認識したかは定かではないが、最初の選択肢を囮にムシアラをかわし、ミドルシュートまで持っていく見事な技術と判断だった。

◆【動画】UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦 マンチェスター・シティvsバイエルン ハイライト
(マンチェスター・シティの先制シーンは、0分7秒~21秒)

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