レアル・マドリードの見事なゴールのカラクリとは? バルセロナを崩したモドリッチ&ベンセマのコンビネーション (2ページ目)
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ロドリゴがダイアゴナルランで中央を空け、ベンゼマがパスを受けシュート
ミリトンとのパス交換で、一瞬フリーになったモドリッチの判断から見事だった。
ロドリゴがダイアゴナルランで相手を引きつけ、中央でフリーになったベンゼマがパスを受けてゴールこの記事に関連する写真を見る フェデリコ・バルベルデからボールをもらったモドリッチは後方のミリトンへ戻す。そこへバルセロナはセルヒオ・ブスケツだけでなく、ガビまでも中途半端に寄せにいった。ミリトンはブスケツを外してフリーになったモドリッチへボールを戻した。
すると、モドリッチはフリーになったとわかると、すぐさま中のスペースへドリブルで進入。このドリブルが非常に効果的だった。
まずは寄せてくるセルジ・ロベルトの前に入るようにドリブルすることで、セルジ・ロベルトは中のコースを切れなくなった。そしてマルコス・アロンソへ向かっていくことで数的優位を作り、ベンゼマがフリーとなった。
ベンゼマのポジショニングも巧みだった。マークを外したベンゼマは中央へ移動する。その動きと連動するように中央のロドリゴが、マルコス・アロンソの背後へ流れるようにダイアゴナルラン。マークにつくジュール・クンデを引き連れて中央を空けた。
中央のスペースで完全にフリーとなったベンゼマへ、モドリッチがプレゼントパス。ベンゼマがゴール左隅へ流し込んで2点目となった。
モドリッチのドリブルによる進入、ロドリゴのタイミングのいいダイアゴナルランというお膳立てで、一番相手に警戒されているはずのエースのベンゼマが、もっとも危険な中央スペースでフリーになるという、レアル・マドリードの見事な崩しだった。
レアル・マドリードの国王杯決勝は、最後に優勝した2013-14シーズン以来、9年ぶりとなる。奇しくも当時の指揮官もカルロ・アンチェロッティだ。名将が再び優勝へ導けるか、注目である。
著者プロフィール
篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)
1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。
◆【画像】レアル・マドリード、バルセロナほか、欧州サッカー注目クラブ 最新フォーメーション
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