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鎌田大地の移籍先にもオススメ 攻撃的サッカーのナポリがフランクフルトに完勝でCL8強へ (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by PA Images/AFLO

【敵地での逆転劇はならず】

 ナポリ、レアル・マドリードとの第2戦に臨むフランクフルトとリバプール。それぞれの立ち上がりが注目された。

 2004‐05シーズン決勝のリバプールが0-3から1-3とした時間は後半9分だった。そして11分、15分とたて続けにゴールを奪った。後半の頭からリバプールは目一杯飛ばした。中盤の看板選手スティーブン・ジェラードを最前線にコンバート。荒れくるうように彼はボールを追いかけた。楽勝ムードだったミランはその圧力に慌てた。

 今回のリバプールは相手のレアル・マドリードをどれほど慌てさせることができるか。それこそが最大の見どころだった。フランクフルトも同様。ナポリをどれほど慌てさせることができるか。

 鎌田大地が4-2-3-1のどこで起用されるか。その点も注目ポイントのひとつだった。UEFAからリリースされた布陣図では、その名前は「3の左」にあったが、実際は真ん中付近にポジションをとることが多かった。相手の左サイドバック、ジオバンニ・ディロレンツォにプレッシャーを掛けることより、ゲームメーカー然とボールに触りたがった。ポジションをカバーする意識の低さを露呈させた。

 これでは逆転は難しい。鎌田のプレースタイルを見て思った。2004‐05シーズン決勝でハイプレスの主役になったジェラードは本来センターハーフで、ポジション的に鎌田と似たタイプの選手だった。両者を比較すれば、相手にとって脅威に映るのはジェラードだろう。第1戦を終え、格上のナポリに0-2の状況となればなおさらだ。「マイボールありき」の発想では相手は慌てない。反撃ムードは高まらない。ジェラードのような躍動感溢れる振り切ったアクションが見たかったとは、正直な気持ちだ。

 一方、レアル・マドリーに向かったリバプールは、立ち上がりから仕掛けようとする姿勢は見て取れた。しかし、2004‐05シーズン決勝のミランとは異なり、レアル・マドリードは慌てなかった。そもそも引いて守ろうとしなかった。リバプールが1回攻めれば、必ず1回攻め返した。連続攻撃を受け慌てるというシーンはなかった。逆に攻め返せば、威力を発揮した。

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