レアル、リバプール戦での逆転勝利を呼び込んだふたつの要因。下馬評の低さをヴィニシウスが覆した (3ページ目)
レアル・マドリードに逆転弾が生まれたのは後半2分。FKのボールをエデル・ミリトンが頭で決めると、ダメ押しとなる4点目、5点目は、ベンゼマが冷静に決めた。
初戦を終えて2-5というこのスコア。アウェーゴールルールが採用されていた一昨季までなら、リバプールは試合をひっくり返すためには次戦で0-4の勝利が必要とされた。しかし、同ルールが廃止された現在に当てはめれば0-3で同点になる。2004-05シーズン決勝の後半を迎える段と同じ状況だ。
4-2-3-1気味の4-4-2を、超攻撃的なアヤックススタイルの3-3-3-1に変更し、スティーブン・ジェラードを切り込み隊長に据え、半ば破れかぶれにプレッシングをかけまくった18年前を思い出しているリバプールサポーターは少なくないだろう。
一方、レアル・マドリードは決勝トーナメントでは久しぶりに追われる側に立ち位置を変える。チャレンジャーとして強さを発揮してきたチームが逆の立場になった時、どんな表情を見せるか。サンティアゴ・ベルナベウで行なわれる第2戦は立ち上がりで決まるだろう。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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