鎌田大地「常にこういう舞台で試合に出続けたい」。初のCL決勝トーナメントで感じたブンデスリーガとの大きな差
フランクフルトにとってクラブ史上初めてのチャンピオンズリーグで、初めての決勝トーナメント。先週末のブレーメン戦(ブンデスリーガ第21節)の時点でも、クラブスタッフたちは「ナポリ戦はうちにとってビッグマッチだ。取材に来るんだよね?」と珍しく高揚感を隠しきれていなかった。
鎌田大地はチーム唯一の枠内シュートを放ったものの...この記事に関連する写真を見る 鎌田大地も前向きに意気込みを語っていた。
「CLの決勝トーナメントなので(相手が)強いのは強いと思いますけど、やってみないとわからない。去年、自分たちがELでやった相手も全部調子がいいチームだった(だけど優勝することができた)。
(相手チームのほうから)プレーしてくれるほうがやっぱりやりやすい。自分たちの強みのスピードっていう点では、相手がボール持ってくれるほうがスペースはあるし、取った時のカウンターが空く」
ブンデスリーガではフィジカル的なサッカーを仕掛けてくる相手が多く、ロングボールへの対応に終始することを鎌田は「ストレスフットボール」と表現した。一方でCLは「プレーしてくれる」相手を迎えることを楽しみにしているようだった。
ナポリとの第1戦はホームだが、主導権を握られある程度劣勢になることも予測しつつ、そのうえでカウンターが有効だろうと予測していた。
大衆紙『ビルト』は最年長・長谷部誠の先発を、なかば希望的に予想していた。最終ラインに長谷部が入った場合、強さとスピードは失われるが守備に強いクリスティヤン・ヤキッチよりも攻撃的なパスが供給できる。「長谷部の経験値は唯一無二だ」というのが予想の理由だった。
また、長谷部が出場した時は周囲の選手が長谷部を中心に結束する。統一感が生まれるのは明らかだ。しかし、実際にプレーしたのはヤキッチだった。オリバー・グラスナー監督は堅実に勝ち点3を狙っていた。
ところが、フタを開けてみれば0-2で完敗、相手のほうが一枚上だった。
1 / 3
著者プロフィール
了戒美子 (りょうかい・よしこ)
1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。