鎌田大地、長谷部誠が挑むCL16強の戦い。決勝トーナメントで得点した日本人や頂点に最も近づいたのは誰か? (3ページ目)
アジア人で優勝した選手はいない。韓国人はパク・チソン(マンチェスター・ユナイテッド)とソン・フンミン(トッテナム・ホットスパー)が決勝進出を果たしているが、それぞれバルセロナ、リバプールの軍門に下っている。
日本人で惜しかったのは香川で、ドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドに移籍したシーズン(2012-13)、ドルトムントは決勝進出をはたしている。決勝戦の舞台となったウェンブリーには、「kagawa23」なるレプリカユニフォームを着たドルトムントファンが多くいた。ドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドへの移籍は通常なら栄転だが、このシーズンは例外だった。"ドルトムントに残留していれば......"と、ついタラレバ話をしたくなる。
香川以上に惜しかったのは、その前シーズン(2011-12)の宇佐美貴史(当時バイエルン)で、決勝戦チェルシー戦のベンチに入りながら、交代出場を果たすことはなかった。ただし試合後、準優勝のメダルは首にかけられている。スタンドに設置された特設ステージに向かうため、筆者が座る記者席横の階段を昇っていく宇佐美の、その憮然とした顔はいまだ脳裏に鮮明に刻まれている。
CLの舞台で日本人選手が頂点を極める日はいつ訪れるのか。ウィリアムヒル社の予想では、今回は150倍だという。フランクフルトがCLを制す可能性のことだが、今シーズンの2人という数を、来シーズンは4人、再来シーズンは6人と増やしていくことが、代表強化という視点に立つと重要に思える。代表級選手たちの個人的な出世争いにも目を凝らしたい。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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