板倉滉&吉田麻也、カタール後のリアルな声「どんなFWにも負けちゃいけない」「個の部分で足りてないのは間違いない」 (3ページ目)
【吉田麻也も目に見える変化】
新加入選手の効果を、吉田は早くも実感する。
「バジェット(予算)がないなかでやりくりしなきゃいけないし、そのなかでいい選手を見つけてくるのは簡単じゃないと思いますけど、(移籍期間の)最後のほうでようやくキーとなるところ、自分が欲していた6番(守備的MF)を取ってくれたんで、それはでかいですね」
守り方にも変化が見られる。「個の部分で足りてないのは間違いない。だからみんなでカバーしあって頑張らないといけない」と話していたライプツィヒ戦から一転、ケルン戦、そしてボルシアMG戦は、これまでの極端なマンツーマンからの脱却が見られた。
「ライプツィヒにやられて『やっぱり無理じゃん、このやり方』っていうのがあまりにも露骨に出たことによって、うまく修正できたかな。けっこう目に見える変化が出たんで、やりやすくなったね。明らかにピッチのなかで難しさを感じる場面が少なくなった。
ゴールキックの時とかで(相手にマークを)ハメにいく時、横のスライドやカバーを早くして中間にポジションを置いて、大外の選手を切ったりすることによって距離感を近くしたり。ボールがこぼれた時にカバーできる位置くらいに。
今までは1対1で『俺は俺』『ここ(自分の横にパスを)通されても関係ないよ』って戦い方をしていたから。だから、フランクフルト戦の時とかもそうだったけど、入れ替わったりすると一気に厳しくなる」
長いリーグ戦を戦うなかで、不振を極めるチームがたった2試合で劇的に状況を上向かせるのは、そう簡単なことではない。肝心なのは、小さな改善を積み重ねていくことであり、この試合のように接戦でポイント(勝ち点)を拾っていくことだ。
「達成困難」と予想されたシャルケの1部残留。今もなお厳しい状況下にあることに変わりはないが、吉田にもかすかに希望の光が見えはじめた。
ブンデスリーガ後半戦。カタールW杯を終えて再びドイツに戻ってきた板倉滉と吉田麻也は、各々苦しい立場の所属クラブで一層「ディフェンスの要」として、その責務と向かい合っている。
著者プロフィール
鈴木智貴 (すずき・としき)
1981年生まれ、静岡県出身。2010年からドイツ在住。DFB公認B級(UEFA−Bレベル)指導者ライセンス保有。これまでに左右アキレス腱断裂と左膝半月板損傷を経験しており、手術歴"だけ"はプロ選手並み。
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