板倉滉&吉田麻也、カタール後のリアルな声「どんなFWにも負けちゃいけない」「個の部分で足りてないのは間違いない」 (2ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by AFLO

【板倉滉が主張したかったこと】

 増すばかりの風格──。板倉本人は自らの現在地について、どう考えているのだろうか。

「1対1も自分のところでしっかりガチっと奪いきれる力を、もっともっと伸ばせていけたら存在感も出ると思うし、さらに一歩ステップアップできる。

 まずはこのチームでしっかり出続けて結果を残すこと。練習からすごくいいメンバーとできているし、成長するにはすばらしいチームだと思っているので。しっかり出続け、チームが勝つことを優先に考えていけたら。

 ワールドカップを終えて、その前からもそうですけど、1試合1試合を大事に戦わないとなっていうのはすごく感じている。いろんなフォワードがいて、いろんなタイプの選手がいるなかで、ディフェンスとしてはどんなフォワードがきても負けちゃいけない。

 これだけいい雰囲気でやれているのは、自分にとってすごいポジティブなこと。このチームで結果を出すことによって、上に行けると思っている。自分のパフォーマンスもそうですけど、チームが勝つことで自分の価値も上がっていくと思っています」

 一方の吉田は、ドローという結果に"晴れ晴れ"とはいかないまでも、その表情からは安堵の色がうかがえた。

 今シーズン、2部から昇格してきたかつての名門シャルケは、ここまでリーグ最少の2勝。第10節に自動降格圏へ転落すると、その翌週からは最下位が定位置になった。

 今年1月のリーグ再開後も、初戦のフランクフルト戦に0-3で敗れ、ライプツィヒ戦は今季2度目の6失点で完敗を喫した。いわば、目もあてられない状態が続いていた。

 ところが、前節ケルン戦に続き、今節ボルシアMG戦も無失点で90分間を戦い抜いた。攻撃陣が沈黙に終わったため、獲得した勝ち点は2試合で2ポイント。ただ、1試合平均2.4失点だった姿は、過去のものになろうとしている。

 要因のひとつは、冬の移籍市場終盤で守備戦力の補強を行なえたことだ。1月26日にはロリアン(フランス)から吉田とCBコンビを組むモリッツ・イェンツを、そして同31日にはクラブ・ブルージュ(ベルギー)からボランチのエデル・バランタをそれぞれ期限付きで獲得した。

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