板倉滉&吉田麻也、カタール後のリアルな声「どんなFWにも負けちゃいけない」「個の部分で足りてないのは間違いない」

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by AFLO

 カタールの地で日本代表を後方から支えた両雄が、敵となって激突した──。

 ブンデスリーガ第19節。板倉滉が所属するボルシアMGが吉田麻也のシャルケを本拠地に迎えた。

 ボルシアMGの現状は、やや苦しい。

 前線のマルクス・テュラム(フランス)やヨナス・ホフマン(ドイツ)から板倉の相棒ニコ・エルヴェディ(スイス)まで、11人ほぼ全員が各国の現役・元代表で構成されるほど、個々の能力は傑出している。にもかかわらず、前節終了時点で7勝4分7敗と星取表は芳しくない。

 この日のシャルケ戦も、エンドが変わるまではボルシアMGが優位に進めた。前半終了間際のテュラムが抜け出した場面や、吉田に頭で防がれたクリストフ・クラマーのシュートなど、決定的な機会も少なくなかった。

 しかし、終わってみればスコアレスドロー。守備の人間である以上、無失点でゲームを終えるのは最も大事なことだ。だが、勝ち点3を奪えなかったことで、板倉の表情は曇りがちだった。

吉田麻也はワールドカップ後に何を思った?吉田麻也はワールドカップ後に何を思った?この記事に関連する写真を見る「前半とか全然、悪くなかったですけどね。相手がマンツーマンでくるなかで、動きを増やしてすごく(マークを)外せていたし、ボールを保持しながらどうにか1点を......という形はずっと作れていたので。

 守備をしていても怖いシーンはなかった。とにかく攻撃でどうやって崩していこうかっていうところにフォーカスしていました。けど、やっぱりああいう(押している)展開のなかで1点を取れないと、後半ああいう(ピンチを迎える)形になるっていうのは想像どおり。自分たちで試合を難しくしたなっていうのはあります」

 板倉個人に目を向ければ、パフォーマンスはこれまでと変わらず目立つものだった。

 後半38分にトム・クラウスの突破を許したことをのぞけば、守備での大きなミスは見られず。攻撃では前半27分の果敢なオーバーラップにはじまり、CKからのヘディングなど、前半だけで計3本のシュートを放った。

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