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三竿健斗、相馬勇紀は早くも活躍。カズも渡るポルトガルと日本人選手との相性は? (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 その点で、中島に続いて守田は"中興の祖"と言えるかもしれない。彼のポルトガル一歩目となったサンタ・クララは、その後も田川、三竿と契約。スポルティング・リスボンでの活躍はポルトガル国内でも大きく伝えられ、同じカタールW杯日本代表の相馬の契約にも影響を及ぼしたはずだ。

 成功も失敗も含めて、日本人が切り拓いてきた市場が今のポルトガルリーグと言える。円安事情もあり、日本人選手が求めるサラリーが支払えるようになったという変化もあった。活躍次第で欧州トップクラブへの道も開ける。

 つまり、ポルトガルのクラブにとっても、いい商売になる。強度も技術も身につけた日本人選手は"買い"であり、高く"売れる"。中島、守田は典型だろう。

 一方、三浦知良がポルトガル2部リーグのUDオリヴェイレンセに移籍したのは、単純に日本企業がクラブを所有したからだろう。支援がなかったら、この移籍は成り立たない。ただし、日本企業が支えることで、他の日本人選手との契約を加速させる可能性はあるかもしれない。

 相馬はすでにデビュー2試合目で初ゴール初アシスト。三竿も4試合連続出場で、いきなり定位置をつかみ取った。日本人選手とポルトガルリーグの関係性は、これからも太くなりそうだ。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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