菅原由勢が「オランダ最高の右SB」に名乗り。ワールドカップ落選の悔しさを糧に「自分がベスト16の壁を破る」 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

【一喜一憂している暇はない】

「これで悔しいと思わなかったらサッカー選手を辞めるべき。この気持ちを糧にしないといけない。東京オリンピック、W杯と、僕は2年連続で悔しい思いをした。

 AZでは昨季、ほぼ全試合に出場したし、今季もケガから復帰してからたくさん試合に出ています。個人としての成長をすごく感じます。周りからの評価も大事ですが、自分ができるようになったことはなにか、それをまずは考えるべき。

 逆に、なんでそこ(最終メンバー)に入れなかったのかということも考える必要があると思います。ともかく一喜一憂している暇は僕にはない。やらないといけないことはたくさんあります」

 次に菅原と会ったのは、年明け初戦の対フィテッセ戦だった。「W杯を見て、なにを感じましたか?」。そう私は訊いた。

「スペイン、ドイツは運だけじゃ勝てない相手。しっかり実力の伴った勝利でした。見ていて刺激になりました。僕がそこにいなかったのは、自分が実力不足だった。(日本の戦いぶりを)目に焼きつけました。

『今度は自分自身が出場してベスト16の壁を破るんだ』という強い気持ちが芽生えました。そこ(カタールW杯のメンバー)に入れなかったことは、サッカー選手として自分に許せないことだった。だからこそ、3年半後のW杯と言わず、今日の試合を含めてしっかりやっていかないといけない。(日本代表の戦いぶりから)すごく大きなエネルギーをもらいました」

 この時、菅原に今季後半戦の目標を語ってもらった。

「個人的な部分では1対1。オランダリーグのどの相手に対しても守りきる。相手にやらせない。極端に言ったら、右サイドから崩されない、失点しないということを大きな目標として掲げています。

 攻撃面では、自分の特徴であるオーバーラップの回数を増やしていく。そのうえでアシストやゴールがついてくる。日々を無駄にすることなく、自分が立てた半年間の目標を実現させるんだ、という強い意志でやり続けたい」

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