菅原由勢が「オランダ最高の右SB」に名乗り。ワールドカップ落選の悔しさを糧に「自分がベスト16の壁を破る」 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

【W杯落選3日後の心境は?】

 右サイドの陣営について、菅原はこう語る。

「これまでは右のウインガーが毎試合、ほぼ変わっていた。僕がウイングをやっていたこともありますしね。左サイドのコンビと比べたら積み重ねが違ったし、そこに難しさがありました。今はオドガールド選手と一緒にプレーする回数が増えて、いい形でローテーションができている。もっと一緒にプレーする回数をこなせば、もっとよくなるのは間違いない」

 前節は『アルヘメーン・ダッハブラット』紙、今節は『デ・テレフラーフ』紙が選出する週間ベストイレブンに、菅原は名を連ねた。『デ・テレフラーフ』紙でベストイレブンの選者を務めるマリオ・ベーン氏は菅原をこう評す。

「菅原は疲れ知らずの選手で、常に右サイドで機能している。フォルトゥナ戦ではチームの3点目となるパヴリディスのゴールをアシストした。どのように動けばいいか、よくわかっている。AZは首位(フェイエノールト)と勝ち点2差につけている。そのことは本当にすばらしい」

 オランダには『トラディショナル・トップ3(伝統のトップ3チーム)』と呼ばれるアヤックス、フェイエノールト、PSVというビッグクラブのヒエラルキーがある。近年、安定して上位につけるAZは「オランダ4番目のクラブ」という位置づけだ。今季のオランダリーグはこの4チームに加え、トゥウェンテが絡んでいる。

 昨季、オランダリーグ最高の右SBはアヤックスでプレーしていたノゼア・マズラウィだった。彼がバイエルンに移籍した今季、AZのレギュラーとしてプレーする菅原には「リーグ最高の右SB」に名乗りを上げる挑戦権がある。そのチャレンジはまた、日本代表への道につながるだろう。

 日本代表のカタールW杯メンバーは11月1日に発表された。そのライブストリームを菅原も見ていたが、自分の名前は呼ばれなかった。その3日後、酷ではあるが、私は本人に心境を尋ねた。

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