旗手怜央が右サイドバックでの2ゴールで考える自分の武器と個性。「ポジションがどこであっても、ゴール前に顔を出すことはできる」 (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

【右サイドバックで2ゴール】

 あれは、アドバイスを求めにいった直後だった。セルティックはケガ人が出たのもあり、右SBの人材が足りなくなっていた。

「次の試合はどのようなメンバーで試合に臨むのだろうか」
「やっぱり、左SBの選手が代わりを務めるのかな」

 僕自身はそんなことを考えていたが、ミーティングが終わると、アンジェさんに声をかけられた。

「レオ、右SBでいけるか?」

 一瞬、驚いたが、チームのためになるのであればと思い返事をした。

「できなくはないと思います」

 連戦だったこともあり、ほぼぶっつけ本番だったが、12月24日に行なわれたセント・ジョンストン戦で、自分は右SBとして先発出場した。

 これまで左SBでプレーした経験はあったが、サイドが変わるだけで細かい動きやポジショニングは全く異なる。

 練習では常に監督やコーチの指示に耳を傾け、自分に言っている言葉や自分のポジションのことだけではなく、すべてのポジションの選手に伝えている内容を聞き、把握するように意識している。それもあって、アンジェさんが右SBに要求していることを思い出し、やるべきプレーを頭に叩き込んで試合に臨んだ。

 それにポジションが右SBであっても、"ゴール前の質"を追求してプレーしていくのに変わりはない。そう思って臨んだ試合で、僕は2得点を記録することができた。

 セント・ジョンストン戦の14分に決めた先制点は、思いきりよく放ったシュートだった。自分が目を向けているゴール前での質を追い求めた結果、あの場面ではシュートを「打っていい」と判断したことがゴールにつながった。

 52分に決めた2点目は今シーズン、ずっと取り組んでいるアタッキングサードに入っていく動きにプラスして、やはりゴール前での質を発揮できた。

 セルティックは今季ここまで、相手に引かれて守備ブロックを作られ、それを崩せずに苦しむ試合が多かった。そのため、ニアゾーンの裏に走る動きがポイントになっていた。そう感じていた課題にトライした結果、生まれた追加点だった。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る