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カタールW杯で日本代表と対戦するコスタリカに18歳の「神童」。警戒すべきそのすごさとは? (2ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

コスタリカのサラブレッド

 2004年6月15日生まれのベネットは、コスタリカの首都サンホセの約10km北に位置するエレディア生まれ。元コスタリカ代表FWだった同名の父親もプレーしていた地元クラブのエレディアーノの下部組織で頭角を現した。

 ちなみに、伯父にあたるトライ・ベネットも元コスタリカ代表DFとして知られており、要するにジェウィソン・ベネットはサラブレット中のサラブレットと言っていい。

 そのベネットが周囲から注目を浴びるきっかけとなったのが、ルイス・フェルナンド・スアレス現代表監督が就任した直後のトレーニングキャンプだった。2021年CONCACAFゴールドカップの準備のために合宿をしていたA代表のトレーニングに、U-20代表の一員として参加していたベネットを見たスアレス監督が一目惚れ。

 メンバー登録手続きの関係でゴールドカップには出場できなかったが、代表新監督がその才能を公言したことにより、一気に注目のタレントとして多数のメディアでその名が報じられることとなった。

「スアレス監督が評価してくれたのは、息子にとってはとても重要なことだった。大きなモチベーションにもなったと思う」とは、当時現地のメディアの取材に応じた父親のコメントだが、その年の8月、スアレス監督はエルサルバドルとの強化試合に向け、当時17歳のベネットを大抜てきしたのである。

 そして8月21日に行なわれたアウェー戦で、ベネットは4-4-2の左MFとしてスタメン出場を果たすと、後半63分まで堂々とプレー。しかも、コスタリカ代表の最年少出場記録も更新した。

 左利きのベネット最大の武器は、テクニカルかつスピーディーなドリブル突破で、単独で局面を打開できる切れ味が強みのひとつ。試合を重ねるごとに周囲とのコンビネーションプレーにも磨きがかかり、今年6月に行なわれた大陸間プレーオフのニュージーランド戦では、開始3分にジョエル・キャンベルの先制ゴールをアシスト。W杯出場がかかった大一番で、決勝点につながる見事なクロスを供給した。

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