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カタールW杯開幕戦で開催国が見せた経験値の低さ。後半開始とともに観客は家路についた (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

 可能性のないサッカーを最後まで見せられた格好だ。観客が早々にスタンドをあとにすることに、半分は納得することができた。

 初戦で2点差負けしたチームがベスト16へ進む可能性は、2006年ドイツW杯に臨んだジーコジャパンがそうだったように、ほぼゼロだ。カタール国民の反応が心配される。

 逆に初戦を2-0で勝利したエクアドルは、セネガルと繰り広げそうなグループAの2位争いで優位に立ったように見える。だが、国民からまるで見放されてしまったかのようなスタンド風景を見せられたカタールの選手たちが、これでモチベーションを下げたとすれば、2点では足りない気もする。3点目、4点目を積極的に狙いにいくべきではなかったか。後半、2-0でオッケーかのような省エネサッカーに終始したエクアドルに対しても、懐疑的な目を向けたくなる。

 開幕戦を最後まで見届けた観衆は、エクアドル人サポーターを含めておよそ2万人。帰りの高速道路はガラガラで、行きの半分の時間で街中のメディアセンターに到着した。カタールW杯はなんとも言えないシュールなスタートを切ることになった。

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