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久保建英がW杯前最後の一戦で見せたカタールでの進むべき道。「サッカーを捨てる」と割り切れるか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「でも、選手は監督の決めた戦術に合わせて動くべきで、それを徹底的に貫いた。一発勝負と決め込んでいたから、楽しくなくても問題なかった。そこまで割り切らんと、あそこまで俺はディフェンスしない(苦笑)。ひとりでもわがままをしたら破綻していたし、自分が戻らなかったら、やられていたはず。ゴール前に入る選手は当然、少なかったけど、動けるだけ動いて撹乱しようって話していた。反撃の時間を待って、辛抱強く戦えた」

 岡田武史監督が当時、採用した戦い方は必然だった。あれから12年が経過し、時計の針を巻き戻す。それは代表監督の采配力の問題でもあり、そこに現在の代表の不人気の理由は集約されているわけだが......。

 久保がカタールでするべきは、大久保に近いミッションになるだろう。もちろん、それでドイツ、スペインを倒せるか、という疑問はある。しかし指揮官の命を受けた選手は迷わず戦うしかないだろう。

 ひとつ言えるのは、久保はどんなディフェンダーと対峙しても怯まないということだ。セビージャ戦も、元スペイン代表のヘスス・ナバスを翻弄した。ELではマンチェスター・ユナイテッドを抑えてグループリーグ首位でベスト16入りするチームに大きく貢献した。

 耐えしのぐサッカーのなかでの久保の一撃を祈る。

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