日本代表発表前に欧州組を最終チェック。好調維持は鎌田大地と伊東純也、不調なのは? (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by DeFodi Images via Getty Image

指揮官の評価が高い旗手怜央

 4-2-3-1の前4人の中で、唯一のフルタイム出場選手でもあった。活きのよさ、ノリのよさを90分間発揮し続けた。鎌田とともに頼もしい存在に見える。

 CLシャフタール・ドネツク戦に臨んだセルティックは、古橋亨梧と旗手怜央がスタメンを飾った。4-4-2の2トップをギオルゴス・ギアクマキス(ギリシャ代表)と一緒に張った古橋は、右サイドに流れてプレーする機会が目立った。右サイドのほうが左より好きなのだろう。ポジション的な適性は真ん中から右にあるはずだ。

 日本代表では1トップで使われることもあれば、ウイングで使われることもある古橋だが、これまで述べてきたように右には候補選手が多数いる。右と左を比べたとき層が厚いのは右だ。左で使われることがしばしばある久保にしても、得意なのは右。古橋は1トップの立ち位置を守ったほうが最終メンバーに残りやすいのかもしれない。

 ただし、代表では1トップでハマったことがない。それは、このシャフタール戦の後半20分、古橋と交代で投入された前田大然にもあてはまる。彼も日本代表でうまくハマったことはない。だが、古橋同様、速い。アンジェ・ポッステコグルー監督率いるセルティックはハイプレスが自慢のチームで、前田、古橋のスピードはその概念と最適な関係にある。彼らはシャフタールのDF陣を実際、かなり慌てさせていた。

 プレッシングの要素を日本代表にどの程度盛り込むか。プレーに不調はあってもプレッシングに不調はない。26人の最終メンバーの顔ぶれは、それによって少なからず左右される。

 セルティックでは旗手も見る者を触発させるプレーをした。相手に捕まりにくい動きをする。中間的なポジションでボールを受ける独得のセンスがある。この試合では後半39分までプレーした。9月に行なわれたアメリカ戦、エクアドル戦で出番を与えなかった森保監督より、ポステコグルーの旗手への評価は高い。筆者もポステコグルーに賛同する。とりわけガタイの大きなドイツ人選手には嫌らしい存在に見えるはずだ。

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