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日本代表がドイツ相手に最大限の健闘。高原直泰が2ゴールと歴代代表のベストマッチとも言える試合があった

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Action Images/AFLO

ドイツ代表・強さの秘密(4)
(1)「ドイツ代表はなぜ強いのか。プラティニのフランスもお手上げだった全盛時代」はこちら>>

 日本とドイツは過去2度、対戦している。いずれもジーコジャパンの時代で、2004年12月と2006年5月になる。前者が横浜国際日産スタジアムで行なわれた親善試合であるのに対し、後者は2006年ドイツW杯開幕直前に現地で相まみえた、いわゆるスパーリングマッチだった。

 2004年ユーロでグループリーグ最下位。2年後に迫った自国開催の2006年W杯に向け、改革を余儀なくされることになったドイツは、監督がルディ・フェラーからユルゲン・クリンスマンに交代した。1990年イタリアW杯で2トップを組んだ2人のストライカーだが、サッカーのスタイルは違っていた。フェラーが守備的だとすれば、クリンスマンは攻撃的。どちらかと言えば守備的な流れできたドイツのサッカーは、これを機に大きく変化した。

ドイツW杯を前にしたドイツ戦で2ゴールを挙げた日本代表の高原直泰ドイツW杯を前にしたドイツ戦で2ゴールを挙げた日本代表の高原直泰この記事に関連する写真を見る 2004年12月。ドイツは国内リーグを早めに中断し、韓国などとも戦う極東ツアーの一環として来日した。到着が前々日だったので、中1日で試合に臨んだことになる。横浜のピッチにはミヒャエル・バラック主将を筆頭に、ベストメンバー同然の11人が並んだ。布陣は4-3-3。5バック同然の3バックがスタンダードだったフェラー監督時代とは異なる攻撃的な姿勢で、コンディション面の不安など何のその、立ち上がりからジーコジャパンに向かってきた。中田英寿、中村俊輔、小野伸二ら欧州組を招集できなかったジーコジャパンとは、意気込みのほどが違っていた。

 試合は前半こそ0-0で推移したが、後半9分、バラックが放ったFK弾の跳ね返りをミロスラフ・クローゼが押し込むと、ドイツはさらに2ゴールを奪い、日本を0-3で一蹴した。

 だがドイツは、その3日後に行なわれた韓国との一戦(釜山)では3-1で敗れている。ドイツは韓国に対し苦手意識があるのではないかと筆者は見る。両国は2002年日韓共催W杯の準決勝で対戦。1-0でドイツが勝っているが、中3日で戦ったドイツに対し、韓国の試合間隔は、延長PKを戦った末の中2日で、コンディション面の違いがそのままスコアに反映されたという感じだった。同じ条件で戦えば接戦必至。韓国の敗れる姿に弱々しさはなかった。

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