南野拓実のいちばんのストロングポイントはどこか? 風間八宏は「ペナルティーエリアの中で特別な選手」と絶賛 (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

ペナルティーエリアの中では特別

 風間氏がそのように評価する南野は、確かにこれまでエリート街道を歩んできた。

 2016年リオ五輪も含め、各年代別代表の一員として数多くの国際舞台を経験。A代表には20歳でデビューし、2018年9月から始動した森保ジャパンでは、攻撃の中軸を担う重要戦力へと成長を遂げた。

 現時点における代表キャップは42で、17ゴールをマーク。森保ジャパンの主力メンバーのなかでは、大迫に次ぐゴール数を誇る。

 では、南野のプレーの特長はどこにあるのか。なぜ南野は多くのゴールを決められるのか、風間氏が解説してくれた。

「いろいろな能力を持った選手ですが、いちばんの武器は、ゴール前によく出てくるという部分と、そこで見せるプレーのクオリティです。相手のペナルティーエリアの中で必要なものをすべて持っていて、たとえば相手を外す技術、タイミングとコースを含めたシュート技術、ゴール前での落ち着き、それから動きの速さもある。

 つまり、ペナルティーエリアの中では特別な選手になれるのが南野の最大の武器で、とくにシュートする場所を空けておいて、そこに素早く直線的に入ることができるのは、天性のものだと思います。それほど身長が高くないにもかかわらず、南野がよくヘディングでゴールを決められるのは、その動きができるからです。

 いまの日本人選手を見渡しても、こういった武器を持っていて、しかもこれだけのクオリティを持った選手は見当たりません。おそらく、そういった能力を見抜いたからこそ、ユルゲン・クロップ監督のお眼鏡にかなったわけで、そうでなかったら、リバプールのような世界中の一流選手が集まるクラブに移籍できないと思います」

 心配になるのは、最近は南野のゴール数が減少気味な点だ。おそらくその背景には、風間氏が解説してくれたペナルティーエリア内で仕事をする回数が減っているからだろう。実際、リバプールでも日本代表でも、サイドのポジションを任せられることが多くなっているのが現状で、彼の特長を発揮しきれていない印象だ。

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