PSGの新体制にスター選手も戦々恐々。ネイマールさえもオフを早々に切り上げチームに合流 (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

放出される余剰戦力は誰?

 新ブレーンとしてPSGに加わったカンポスは、さっそくPSGのリニューアルに着手。まずはポルト(ポルトガル)からポルトガル代表デビューしたばかりの新星MFヴィティーニャ(22歳)を移籍金4150万ユーロ(約58億1000万円)で獲得。また、スタッド・ランスのFWウーゴ・エキティケ(20歳)の加入も来日直前に発表された。

そのほかの獲得候補としてリストアップされている選手も、リールのMFレナト・サンチェス(24歳)、サッスオーロのイタリア代表FWジャンルカ・スカマッカ(23歳)、ニースのMFケフレン・テュラム(21歳)など、いずれも有望な若手選手ばかりだ。

 とはいえ、現状のPSGはすでに新銀河系軍団が形成されているため、カンポスの方程式だけでは難題は解けない。そこでクラブは、レオナルドの前任SDだったアンテロ・エンリケを同部門に復帰させ、余剰戦力の売却を任せることにした。

 現在放出リストに名を連ねるのは、DFアブドゥ・ディアロ、DFレイヴァン・クルザワ、DFティロ・ケーラー、MFレアンドロ・パレデス、MFダニーロ・ペレイラ、MFイドリッサ・ゲイェ、MFアンデル・エレーラ、MFジョルジニオ・ワイナルドゥム、MFエリック・ジュニオール・ディナ・エビンベ、MFユリアン・ドラクスラー、FWマウロ・イカルディ。

 しかし、これまで退団に同意しているのはディアロとクルザワのふたりだけで、それ以外はよほどの好条件のオファーが届かないかぎり、移籍は進展しそうにない。

 昨夏もそうだったが、そもそもPSGの年俸は高すぎる。獲得側クラブが獲得に二の足を踏むのと同時に、選手も移籍したがらないというのが実情で、半分を売却できれば御の字だ。

 つまり今シーズンのPSGは、レオナルド主義とカンポス主義がミックスした曖昧な陣容で、タイトル獲得を目指すことになりそうだ。

 難しい舵取りを迫られるのは、マウリシオ・ポチェッティーノの後任として白羽の矢を立てられたフランス人クリストフ・ガルティエ新監督だ。もちろん彼を指名したのは、リール時代にともに美酒を味わったカンポスである。

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