イタリア代表番記者が怒りの告発。W杯2大会連続予選敗退の真犯人は誰だ (4ページ目)

  • マルコ・パソット●文 text by Marco Pasotto
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

 イタリアのサッカーシステムは何十年も前からほとんど進歩なく、ヨーロッパの他の強豪国にならって再建されることもなかった。スタジアムは古く、チームが保有するものはほとんどない。育成部門はお粗末で、成功しているのはほんの一部のチームだ。自前のスタジアムがなければ興行収入は少なく、投資に金をかけられない。自前で才能を育てず、外国の市場ばかりをあされば、イタリア人選手は育たず、決定的な試合で32本のシュートを放ちながらゴールを奪えないことになる。そしてこれらは何年も前から問題視されているのに、一向に改善が見られない。それこそが最大の問題なのである。

 最後も子どもの話で締めよう。4年に一度のW杯は、子そも時代の節目、節目であった。あのW杯の時には何があった、このW杯の時は何をしていた――サッカーが人生と密接につながっていた。イタリアの子どもたちに、早くそんな日を取り戻してあげたいと、心から願ってやまない。

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