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モドリッチの0トップ作戦に非難集中。レアル監督解任騒動の行方はいかに?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Reuters/AFLO

 先日のクラシコ後、レアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ監督に対し、俄かに解任論が浮上している。

「ハラキリ」

 FCバルセロナに本拠地サンチャゴ・ベルナベウで0-4と大敗。自滅同然の采配が、マドリディスタ(レアル・マドリードファン)の間で痛烈に批判されることになった。チャンピオンズリーグ(CL)のパリ・サンジェルマン(PSG)戦の逆転劇で英雄視されたアンチェロッティだが、一転して悪役に。来季に向けた後任監督として、OBであるシャビ・アロンソの名前がまことしやかに囁かれるほどだ。

 スペイン大手スポーツ紙『マルカ』はウェブ上で、「アンチェロッティのマネジメントは、『とてもいい』『いい』『悪い』のうち、どれ?」という投票を行ない、「悪い」が78%を占めるという結果が出た。もともと、エデン・アザールなどスター選手をチームに組み込めない手腕が疑問視されていたが、クラシコでの大敗は批判噴出のトリガーとなった。

 はたして、この騒動は収まるのか?

解任論も巻き起こったレアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ監督解任論も巻き起こったレアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ監督この記事に関連する写真を見る クラシコと呼ばれるレアル・マドリードとバルサの一戦は、特別な意味を持つ。民族的な怨恨が潜んでいるだけに憎悪が渦巻き、「ライバル」などという生易しいものではない。歴代監督のなかには、リーガ・エスパニョーラで優勝したにもかかわらず、クラシコで負けたことを理由に解任されたケースもあった。本拠地での大敗は、尊厳を傷つけられたような気持ちになるのだ。

 理屈ではないだけに、マドリディスタの怒りは凄まじく、矛先はアンチェロッティに向けられている。

 実際、ありていに言ってその采配は不可解だった。いくらエースのカリム・ベンゼマがケガで欠場だったとはいえ、ルカ・モドリッチの0トップはあまりに実験的で、完全に失敗した。「前線でプレスをかけ、ボールを持った時は落ち着かせるはずだった」とアンチェロッティは説明したが、相手センターバックへの圧力は低く、ボールプレーでもアドバンテージを与え、何もかも後手に回っていた。

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