イタリア代表番記者が怒りの告発。W杯2大会連続予選敗退の真犯人は誰だ (2ページ目)

  • マルコ・パソット●文 text by Marco Pasotto
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

ユーロ優勝から闇に落ちていった

 真の問題は、プレーオフでFIFAランキング67位のチーム(イタリアは6位)に敗れたことではない。まず、イタリアはプレーオフに回るべきではなかった。グループ予選では、少なくともダイレクトにカタール行きを決める2度のマッチポイントがあったが、それをどちらも、ものにすることができなかった。その大きなチャンスをPK失敗の形でドブに捨ててしまった。

 ウェンブリーの決勝は分水嶺だった。ユーロのイタリアが優秀だったのは事実だ。スター不在でも驚くべきプレーを繰り出せるチーム、批判好きで沸点の低い国民性にもかかわらず、チームワークの力を見せ、自らが楽しみ、見るものを楽しませ、限界を超えることのできるチームだった。私はユーロに同行し、その一部始終をこの目で見てきたが、あのチームは本当にいいグループだった。

 しかしその後、イタリアは闇に落ちていく。まずは典型的な"満腹状態"に陥り、その後は結果が出ないことで恐れをなし、パニックを引き起こす。ユーロで優勝して以降、8試合の代表戦があったが、そのうち2試合でしか勝利していない。北マケドニアと対戦したのは、ミスをすることに、W杯を逃すことに極度に怯えるチームだった。その恐怖は、昨年夏に彼らを飛翔させた自由な軽やかさを、完全に奪ってしまっていた。

 堅牢と思われていた城が崩れるには、たった8カ月で十分だった。イタリアでは今、当然ながら批判と罵倒の嵐が始まっている。サポーターはサッカー連盟のトップたちのクビのすげ替えを声高に求めている。もちろんその筆頭はガブリエレ・グラヴィナ会長だ。だが、彼はこの試合の前から、「たとえ負けても辞任はしない」と表明している。

 他の者に比べたら、非難の矛先が鈍いのは、おそらくロベルト・マンチーニ代表監督だろう。チームをヨーロッパの頂点に導いた功績もあるが、誰もが、失態の真の原因が監督にあるのではなく、イタリアのサッカーシステムの不全にあると気づいているからだ。

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