日本代表はゼロ。CL決勝トーナメントの舞台に立った選手が最も多い国は? (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

日本のライバル国の選手たちが活躍

 マンチェスター・ユナイテッド対アトレティコは、後者のしぶとさが勝った。アトレティコらしい勝ち方だった。ただ、サッカーそのものはかつてよりさらに守備的になっている。5バックで守りを固めることに罪悪感を抱かない、恥も外聞もないサッカーを展開する。このスタイルのサッカーに幸せな未来が待っているとは思えない。ジョアン・フェリックスをはじめ好選手が多くいるのだから、もう少し正攻法で戦ってほしいと考える。

 日本人のチャンピオンズリーガーは南野拓実ただひとりに終わった(ただし決勝トーナメント1回戦の出場はなし)。決勝トーナメント1回戦を戦った各チームの顔ぶれを見ると、チュクウェゼのような、W杯本大会で倒さなければベスト8を狙えないライバル関係にある国、具体的にいえば、W杯本大会の抽選で第3シードに入りそうな国々の選手が多くいる。ビジャレアルでは、チュクウェゼに加え、セルジュ・オーリエ(コートジボワール)、ペルビス・エストゥピニャン(エクアドル)がそれに該当する。

 リール対チェルシー戦に出場した選手では、ジョナサン・デイビッド(カナダ)、ティモシー・ウェア(アメリカ)、ゼキ・チェリク(トルコ/以上リール)、クリスティアン・プリシッチ(アメリカ)、ハキム・ジエク(モロッコ)、エドゥアール・メンディ(セネガル/以上チェルシー)になる。

 アヤックス対ベンフィカでは以下がそうだろう。セバスティアン・ハラー(コートジボワール)、エドソン・アルバレス(メキシコ)、ノウセア・マツラウイ(モロッコ)、アンドレ・オナナ(カメルーン/以上アヤックス)、アデル・タラブト(モロッコ)、オデッセアス・ヴラホディモス(ギリシャ)、バレンティノ・ラザロ(オーストリア/以上ベンフィカ)。

 マンチェスター・ユナイテッド対アトレティコ戦でも、アトレティコ側にヤン・オブラク(スロベニア)やジョフレイ・コンドグビア(中央アフリカ)がいた。

 CL決勝トーナメントの舞台に立った日本人選手がゼロであることに、もう少し危機感を持つべきではないか。CLベスト16の戦いを見ていると、カタールW杯が心配になるのだった。

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