久保建英の今季ベストゲーム。敗戦でも最高評価、誰も捕捉することができなかった (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

レアルの選手としての課題

 カウンターでも、久保は迫力を感じさせていた。バレンシアで売り出し中のスペイン代表ブライアン・ヒルよりも確実に前に入って、足をかっさらうようなチャージを受け、イエローを引き出させている。立ち上がって顔を近づけ、堂々と挑発する姿は、もはやひとりの猛者だ。

 残った課題は「数字」だろう。今シーズン、ケガで棒に振った試合が多いとはいえ、スペイン国王杯を含めて、わずか2得点。攻撃の主役としては物足りない。

「(バレンシア戦の)久保はかなりよかった。相手のバランスを崩しまくっていた。ただ、ゴールという最後のインスピレーションのところが足りなかった」

 L・ガルシア監督の賞賛と要求は、「レアル・マドリードのレンタル選手としての現状総括」と言えるだろう。

 残り3分の1になったシーズン、久保の任務は明白である。チームのエースとしてマジョルカを残留へ導く。その難しい使命を果たすことが、レアル・マドリードから呼び戻される条件となるだろう。

 現時点で、マジョルカは16位につけている。降格圏からは外れているが、18位のアラベスとは勝ち点差は5で、予断を許さない。3月2日は、再び本拠地でレアル・ソシエダと対戦予定だ。

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