あのメッシが今季まだ2得点。毎年ふたケタ得点当たり前のレジェンドに何が起きているのか

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 世界中のサッカーファンが注目したUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)第1戦、パリ・サンジェルマン対レアル・マドリード。試合は後半アディショナルタイム、キリアン・エムバペが異次元とも言える個人技で決勝ゴールを突き刺し、ホームのパリ・サンジェルマンが1−0で先勝した。

 もちろん勝利の立役者として賞賛されたのは、この試合のマン・オブ・ザ・マッチに輝いたエムバペだ。前半開始早々、自らの突破からアンヘル・ディ・マリアに決定機をお膳立てしたエムバペは、後半61分にPKを獲得したプレーも含め、試合を通して違いを生み出し続けた。

パリ・サンジェルマンに移籍してメッシはどう変わったのかパリ・サンジェルマンに移籍してメッシはどう変わったのかこの記事に関連する写真を見る 対照的だったのは、劇的な決勝ゴールを決めたエムバペを中心にできた歓喜の輪に最後に加わった背番号30、リオネル・メッシだった。

 フランスのスポーツ紙『レキップ』がこの試合のメッシに与えた評価は3点。最高評価となったエムバペとマルコ・ヴェラッティの8点をはじめ、ほとんどの選手が平均以上の6〜7点だった一方、数少ない低評価の選手なのが、4点のディ・マリアとチーム最低評価のメッシだった。

「このような彼を見るのは、どこか寂しさがある。前半は中盤に下がってプレーしたが、細かなミスがあり、1対1でも苦しんだ。後半は盛り返して効果的な中継役になったが、シュートを決められず、PKも止められるなど重荷となった。このようなメッシでは心配だ」(レキップ紙)

 ほぼパーフェクトな内容で勝利したチームの選手に対する評価としては、少し厳しすぎるように思えるが、それは地元紙のメッシに対する期待の表れでもあるのだろう。

 実際、この試合の4日前に行なわれたリーグ・アン第24節のレンヌ戦でも、『レキップ』紙は試合終了間際にエムバペの決勝ゴールをアシストしたメッシに対して4点の評価を下している。「我々は7度バロンドールを手にした彼に、もっと多くのクリエイティビティ(創造性)を期待している」という文言を寸評に加えたほどだ。

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