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あのメッシが今季まだ2得点。毎年ふたケタ得点当たり前のレジェンドに何が起きているのか (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

【バルセロナ時代との大きな差】

 周囲の期待と現状の間にある、大きなギャップ----。あのメッシならどんな問題も解決してくれるはずだと信じて疑わない多くの人にとって、現在のプレーぶりは決して満足できるレベルにないことだけはたしかだろう。

 たとえば、パリ・サンジェルマンのメッシがバルセロナ時代と大きく異なっている点として、よくクローズアップされるのがゴール数だ。

 昨シーズンまでプレーしたバルセロナでは、計17シーズンにわたって国内リーグ戦で474点という驚異的なゴール数を記録したメッシだが、新天地ではこれまで2ゴールのみ。CLでは5ゴールを記録しているが、昨シーズンのラ・リーガで30ゴールをマークしていたことを考えれば、たしかに少なすぎる。

 とはいえ、この数字だけを見てメッシがパリ・サンジェルマンでは活躍できないと判断するのは、あまりにも早計だろう。

 まず、これまでの試合出場状況が異なっている。ほぼシーズンを通してフル稼働していたバルセロナ時代と比べ、今シーズンのリーグ・アンにおけるプレータイムは1072分。出場試合数は途中出場2試合を含めて、まだ14試合しかない(第24節終了時点)。

 そもそも昨夏のコパ・アメリカ優勝によってチーム合流が遅れたうえ、9月に1カ月ほど負傷離脱したメッシは、その後も10月下旬からの負傷離脱と年明けの新型コロナ陽性からの回復期間を含め、なかなかトップコンディションを取り戻せない状態が続いている。

 まだ2カ月も継続してプレーできない状態で、34歳の選手がトップフォームを取り戻すことは至難の業と言っていい。

 しかも、キャリア初の移籍を経験したメッシは、13歳時から生活していたバルセロナを初めて離れ、新しい環境に適応しなければならない。日頃から穏やかで安定した毎日を送ることを大事にするメッシにとって、それは想像以上に大きな挑戦だ。

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