バルサに見えた復活への道筋。「攻撃こそ最大の防御」を体現する戦新戦力4人が躍動し、シャビも手応え
FCバルセロナのシャビ・エルナンデス監督は、クラブの「伝統」を取り戻しつつ、新しい道筋をつけるのに苦心を重ねている。
冬のマーケットで、クラブは積極的に動いた。ダニエウ・アウベス(←サンパウロ)、フェラン・トーレス(←マンチェスター・シティ)、アダマ・トラオレ(←ウォルバーハンプトン)、ピエール=エメリク・オーバメヤン(←アーセナル)という4人の有力選手を獲得。シャビ・バルサは下部組織ラ・マシアの若手を抜擢することで、悪くない手ごたえをつかんではいたが、物足りなさはあっただけに、不可欠な補強だった。
実際、4人が揃って出場機会を得ると、ひとつの成果を上げた。代表戦ウィーク明けに本拠地カンプノウでアトレティコ・マドリードと対戦すると、4-2と鮮やかに撃破したのだ。
「将来を見据えると、このような試合をする必要があった」
シャビが試合後に振り返ったように、試金石になるだろう。
アトレティコ戦では、まずは右サイドバックで先発したアウベスが「38歳で復帰した理由」を存分に見せつけている。プレーメーカーのようなポジションを変幻自在に取り、技術やビジョンで攻守に貢献。そこには最強バルサ時代の片鱗が匂った。ボールの出どころとなるだけでなく、常に周りをサポート。高い位置でボールを回し、"攻撃こそ最大の防御なり"を可能にしていた。
バルセロナに復帰した大ベテランのダニエウ・アウベスこの記事に関連する写真を見る アウベスはなんと3得点に絡んでいる。ジョルディ・アルバのスーパーボレーを引き出したクロスの精度はワールドクラスだった。ガビのクロスにしっかりと入って、右足で撃ち抜いたゴールも白眉。FKもジェラール・ピケの頭に完璧に合わせ、そのこぼれ球をロナウド・アラウホが蹴り込んだ。
玉に瑕だったのが、後半途中、退場になった点だろう。抜け出た敵選手に対し、うしろからスパイクの裏でふくらはぎを踏みつけた。味方を数的不利に晒し、ベテランらしくない振る舞いだった。
それ以外のバルサのプレーの仕組みを心得た動きは満点に近かった。ドウグラス、アレイクス・ビダル、ネウソン・セメド、セルジーニョ・デストなど、アウベス退団後に入ったサイドバックたちを凌駕。その存在のおかげで周りの選手もプレーが弾んでいた。
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