欧州サッカー日本人の最新市場価格。今季前半で評価を上げた注目の6人は? (2ページ目)

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

2位:古橋亨梧(セルティック)
市場価格550万ユーロ(約7億400万円)
上昇額350万ユーロ(約4億4800万円)

 元横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルーが監督に就任して以降、セルティックは日本人選手に対して熱狂している。そして、この動きは欧州各国の多くのクラブに対して、日本のスカウティングを行なうことに意義があると示した。

 550万ユーロという例外的に高額な市場価格は、古橋に対する期待の表れでもある。古橋は、チームに適応するための時間も必要とせず、瞬く間にクラブの大きな期待に応えてみせたのだ。この活躍により、トランスファーマルクトでの市場価格も上昇した。

 リーグ14試合で8得点は、スコティッシュプレミアリーグの得点王争いにも絡んでいるが、セルティックに所属している場合、これから先は市場価格の大きな上昇は見込めない。今季はヨーロッパリーグで早期に敗退したため、価格を大きく伸ばす機会を失ってしまったからだ。

 これから数年間にわたって高額な市場価格を定着させるためには、より評価の高いリーグのクラブに移籍するか、セルティックで欧州のカップ戦の舞台で勝ち進むことが必要となる。

3位:伊藤洋輝(シュトゥットガルト)
市場価格300万ユーロ(約3億8400万円)
上昇額245万ユーロ(約3億1360万円)

 シュトゥットガルトのスポーツディレクターのスヴェン・ミスリンタートは、あるインタビューのなかで、定期的にJ2リーグを追いかけていると明かしている。しかも、彼の目からすると、J2は世界屈指のレベルの高い2部リーグだという。

 シュトゥットガルトが伊藤洋輝を獲得したことは多くの人々を驚かせたが、かつてJ2のセレッソ大阪にいた香川真司の才能を見抜いたミスリンタートには確信があったのだ。

 ドイツに来るまでは日本国内でプレーしていたため、伊藤にとっては自身の市場価格を上昇させるのが難しい状況にあった。同時に、若いうちに欧州に挑戦したものの、その移籍が失敗に終わる不確定さがあるのも日本人の若手選手の市場価格が伸び悩む要因となっている。

 シュトゥットガルトは、U-23チームで成長させるつもりで伊藤を獲得したが、短い期間のうちにブンデスリーガで定期的にプレーするようになった。これにより、率にすると445.5%という驚異的な価格上昇率が実現した。

 市場価格算出の際に、欧州5大リーグのひとつブンデスリーガでポジションを確保したのに加えて、22歳という比較的若い年齢も考慮されている。このまま定位置を守り、現在のパフォーマンスを見せ続ければ、来季の夏には自身の市場価格を500万ユーロの大台に乗せることもありえるだろう。

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