香川真司が加入するシント・トロイデン。移籍してきた日本人はその後どう羽ばたいていった? (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

【17ゴールを決めた鈴木】

 第3期生は、2019年夏に加入した鹿島の鈴木優磨(当時23歳)、ベガルタ仙台のシュミット・ダニエル(当時27歳)、ドイツのハンブルガーSVでプレーしていた伊藤達哉(当時22歳)の3人だ。

 このなかで最も成長したのが鈴木で、2年目の2020−21シーズンにはリーグ戦で17ゴールを記録。初年度の7ゴールから大きく得点数を伸ばし、複数クラブからオファーをもらうほどに飛躍を遂げることに成功した。結局、思惑どおりのステップアップ移籍は果たせなかったが、この冬に古巣の鹿島に復帰することが決定し、チーム再建の主軸として大きな期待を集めている。

 現在も在籍するシュミット・ダニエルは、初年度にリーグ戦20試合、2年目の昨シーズンは24試合、そして今シーズンもここまで20試合でゴールマウスを守るなど、チームの主力として活躍中。一方の伊藤は、過去2シーズンはいずれも途中出場7試合にとどまり、今シーズンもここまで途中出場4試合。まだベルギーで1ゴールも決められていないという厳しい状況にある。

 同じく、2019−20シーズンの冬(2020年1月)に清水エスパルスから加入した松原后(当時23歳)も、今シーズンはここまで7試合の出場(先発5試合)。過去2シーズンと比べると出場機会は増加傾向にあるものの、思い描いていたような活躍ができていないのが現状だ。

 2020年夏に加入した第4期生は、チームの方針も影響して中村敬斗(当時19歳)のみ。当時オランダのトゥウェンテで苦しんでいた中村は、ローン加入で心機一転を図るも、結局5試合1得点にとどまり、翌シーズンにオーストリア2部のFCジュニアーズにローン移籍。現在はLASKリンツ(オーストリア1部)でプレーし、出場機会を増やしている。

 2021年1月に浦和から加入した橋岡大樹は、途中加入ながらリーグ戦6試合に出場すると、2年目の今シーズンはここまで18試合に出場するなどレギュラーに定着。現在22歳という年齢を考えても、今後の飛躍が大いに期待される成長株と言える。

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