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中井卓大の才能を指揮官ラウルも高く評価。スペインでの現状とレアルBで主力になるための課題

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

Sportiva注目アスリート「2022年の顔」
第1回:中井卓大(サッカー)

スポルティーバが今年とくに注目するアスリートたち。その才能でどんな輝かしい活躍を見せてくれるのか。「2022年の顔」と題して紹介する。

 18歳になった中井卓大は、2022年に最も注目される日本人若手サッカー選手のひとりと言える。

 世界に冠たるレアル・マドリードの下部組織に、中井は9歳で入団している。以来、各カテゴリーを着実に駆け上がってきた。現在はフベニルA(U-19)と言われるユースのカテゴリーのトップに在籍している。

 ラ・ファブリカ(工場)の異名をとるレアル・マドリードの育成は、欧州最高峰を誇る。エリート選手しか門戸を叩くことを許されず、日々の競争もし烈を極める。カスティージャと言われるレアル・マドリードのBチームまで辿り着くことができたら、たとえトップチームに定着できずとも、国内外の1部クラブから引く手あまただ。

 アルバロ・モラタ(ユベントス)、ボルハ・マジョラル(ローマ)、マルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリード)、セルヒオ・レギロン(トッテナム)、ディエゴ・ジョレンテ(リーズ・ユナイテッド)、アシュラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン)、パブロ・サラビア(スポルティング・リスボン)など、有力クラブ所属のラ・ファブリカ出身選手は枚挙にいとまがない。

 今シーズン、「ピピ」の呼び名で親しまれてきた中井は、すでにカスティージャの試合メンバーに3度も入っている。トッププロへの登竜門の、最後の扉を開けるところまできた。

レアル・マドリードで激しい競争を戦っている中井卓大レアル・マドリードで激しい競争を戦っている中井卓大この記事に関連する写真を見る プレシーズンのバダホス戦で、中井はカスティージャでの先発デビューを飾っている。ボランチの一角でプレー。ボールの受け方だけでも非凡さが伝わり、中心選手のような存在感だった。

「球筋は速く、きれい。試合の流れを作り、すばらしいテクニックを示している。見て見ろ、今の1対2でのボールの持ち出し方、とてもいいぞ!」

 試合を放送した実況と解説は、ふたり揃って興奮気味に中井のプレーを絶賛していた。

 カスティージャの監督を務めるラウル・ゴンサレスは、言わずと知れた背番号7のクラブのレジェンドだが、中井の才能に目をかけている。その証拠に、昨シーズンまでフベニルAの監督だったラウルは、UEFAユースリーグ(19歳以下のチャンピオンズリーグ)に飛び級で中井を招集。エリアの近くでのひらめきとスキルをとくに評価していると言われる。

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