バルサ、21年ぶりCL敗退の実像。1年でバイエルンに追いつくことはできるか
12月8日、ミュンヘン。チャンピオンズリーグ(CL)グループステージ最終節でFCバルセロナはバイエルンと戦い、3-0と完膚なきまでに叩かれている。これにより大会敗退が決まり、ヨーロッパリーグに回ることになった。
「厳しい敗北が、バルサをヨーロッパリーグに追いやった」
バルサと密接な関係にある地元紙『エル・ムンド・デポルティーボ』は、クラブのレジェンドであるシャビ・エルナンデス新監督を気遣いつつ、屈辱的状況を憂慮する論調だった。新監督シャビよりも、ふがいなかった選手への風当たりが強い。そこは前監督、ロナルド・クーマンがいた時と違う点だが......。
「今は『これが現実だ』と怒りを感じる。失望と忍従の時だが、我々はゼロからスタートする。バルサをふさわしい場所に戻すために」
試合後、シャビ監督は憤怒を抑えながら語った。直近のリーガ・エスパニョーラ、ベティス戦に続いての連敗。就任後は2勝1分け2敗と、星取表は五分になった。
シャビ・バルサの実情とは?
チャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出を逃したバルセロナのシャビ・エルナンデス監督この記事に関連する写真を見る クーマン前監督は「これで欧州王者など夢物語」と今のバルサに失望していた。伝統に唾を吐きかけるように守備を固め、ロングボール戦法を指示。バルサ指揮官としては「敵前逃亡」に近く、痛烈な批判を受け、解任に追い込まれた。
少なくともシャビは「バルサのサッカー」で踏みとどまる決意を見せ、熱狂の中で迎えられている。
「バルサにはバルサのプレースタイルがある」
シャビは言う。
「最後方から丁寧に迅速にボールを前線に運ぶ。ボールを受け、運ぶことを恐れず、怯まずにパスを交換する。極端な例だけど、勝つことそのものよりもボールを持って攻めるという内容が重んじられる」
過去5試合、シャビは伝統を貫く姿勢だけは見せてきた。
ラインをコンパクトに保ち、セルヒオ・ブスケッツの周りに選手を集めてボールのつながりを改善させた。高いラインで守備も前がかりになり、攻撃的姿勢が出ている。自然とポゼッション率が向上し、無闇にクロスを放り込むプレーはなくなった。
シャビ・バルサの"下ごしらえ"は見えた。
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