プレミアリーグの天下は続くのか。「3強」がCLでも存在感を発揮する理由 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AFP/AFLO

 一方、ロメル・ルカクを補強した昨季のCL覇者チェルシーは、今季の国内リーグでは現在、2位リバプールに1ポイント差、3位マンチェスター・シティに2ポイント差で、首位を走っている。

 大会がCLの名称になってから今季で29シーズン目を数えるが、連覇を達成したチームはレアル・マドリードのみ(2015-16シーズンからの3連覇)。レアル・マドリードがその達成感に起因すると思われる後遺症からいまだに立ち直れない姿に、CL連覇の重みが垣間見える気がする。今季2連覇を目指すチェルシーに、どれほど重圧はかかっているだろうか。

 とはいえ、チェルシーの昨季のCL優勝は、言ってみれば「まさかの優勝」だった。昨シーズン途中、監督解任劇が起きた時、ファンはこの結末を想像すらしなかっただろう。そうした意味では、連覇と言われても、少なくとも現段階では、さほどプレッシャーはないと見る。チャンスの目は大いにあると言うべきかもしれない。

 チェルシーと今季のCLに出場している他のプレミア勢との一番わかりやすい違いは布陣だ。リバプール、マンチェスター・シティが4-3-3、マンチェスター・ユナイテッドが4-2-3-1という攻撃的なスタイルをとるなかで、チェルシーは守備的な3-4-2-1で戦う。5バックになることも辞さない、後方に人を多く割く、少数派に属するサッカーだ。大雑把に言えば、得意にするのは縦に速いカウンターだ。

 CLの第2戦で戦ったユベントスも、かつてはこのスタイルを定番にしていた。攻撃的とは言えないサッカーの代表格だった。しかし今回、チェルシーに対して4-3-3で向かっていった。攻撃的に向かってくると一瞬、思わせたが、実際は、攻撃的な布陣を用いながら引いて守ってきた。

 66%対34%。チェルシーはボール支配率でユベントスを大きく上回ることになった。カウンターを得意にするチームが遅攻を余儀なくされた。ボールを持たされる格好になった。結果はユベントスの1-0だった。ここで判明したことは、チェルシーが苦手とするチームのスタイルだ。

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