2021.11.03

ポスト・ロナウド&メッシにまさかの伏兵が名乗り!? CLで爆発、見逃せないストライカーたち

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 グループステージを折り返した今季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)で(本稿執筆時点)、得点ランキングのトップを走っているのは27歳の伏兵だ。

現在CL3試合で6ゴールを挙げている、アヤックスのセバスティアン・ハラー現在CL3試合で6ゴールを挙げている、アヤックスのセバスティアン・ハラー この記事に関連する写真を見る  オランダのアヤックスに所属するコートジボワール代表FWセバスティアン・ハラーの名は、フットボールファンの間でもあまり馴染みがないかもしれない。なにしろ、パリ郊外で生まれたこのストライカーは、今季初めてCLに出場しているのだ。

 ところが、そのデビュー戦が衝撃的だった。敵地でのスポルティング(ポルトガル)戦に前線の中央で先発すると、開始69秒でいきなり先制点。味方のシュートのこぼれ球を冷静に頭で押し込み、記念すべき大会1点目を決めた。さらにその7分後には、右からの折り返しに滑り込んで加点し、後半にも2点を追加。

 CL史上、デビュー戦でハットトリックを遂げた10人目となったばかりか、初戦で4得点を決めた2人目になった──唯一の先人は元アヤックスのマルコ・ファン・バステン(ミラン在籍時)だ。

 ただしその偉大なレジェンドとは異なり、ハラーは遅咲きのFWだ。オセールの下部組織からファーストチームに上がり、当初は2部リーグでプレー。以降、ユトレヒト(オランダ)とフランクフルト(ドイツ)を経て、2019年夏にウェストハム(イングランド)へ移ったものの、プレミアリーグでは適応に苦しんだ。1シーズン半でリーグ戦10得点に終わり、昨年1月に再びオランダ(アヤックス)へ。これが転機となった。

 近年のプレミアリーグを観ているファンからすれば、ハラーのCLデビュー戦の4得点はまぐれにも思われたかもしれない。だが続くベシクタシュ(トルコ)戦とドルトムント(ドイツ)戦でも、一度ずつネットを揺らし、ここまで6得点でCLのトップスコアラーとなり、枠内シュートも最多の10を記録。混戦も予想されたグループCで3戦3勝と首位に立つアヤックスを、文字通り、最前線から牽引している。