ベンゼマとエムバペのホットラインは激アツ。フランスの攻撃力はW杯優勝時より上 (2ページ目)
問題は、デシャン監督が手に余るほどの良質かつ豊富な駒の誰を選び、どのように組み合わせるかだろう。とりわけ、今回のフランス代表メンバーで最大のトピックとなったのが、5年ぶりに代表復帰を果たしたカリム・ベンゼマ(レアル・マドリード)の存在だ。
指揮官は、あくまでもベンゼマを戦力のひとりとして特別視しないことを公言している。だが、大会前の強化試合ではさっそく、キリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)、アントワーヌ・グリーズマン(バルセロナ)、ベンゼマを前線に配置する「MGBトリオ」が結成された。
最初のテストとなったウェールズ戦では、ベンゼマ&エムバペの2トップ下にグリーズマンを配置する4−3−1−2。続くブルガリア戦ではシステムを4−3−3に軌道修正し、1トップにベンゼマ、左にエムバペ、右にグリーズマンという、今大会の基本システムを固めるに至った。
ドイツ戦の決勝点は相手のオウンゴールで、このハンガリー戦もグリーズマンの1ゴールに終わったこともあり、まだMGBトリオが期待に応えているとは言いがたい。しかし、ともにプレーした試合がまだ4試合であることを考えると、作った決定機の数を含めて予想以上の機能性を見せていることはたしかだ。今後、試合を重ねるごとにコンビネーションが高まる可能性は高いと見ていいだろう。
とくにベンゼマとエムバペの関係性は上々で、ドイツ戦ではベンゼマからエムバペへのパス供給が12本を記録した。長年レアル・マドリードでクリスティアーノ・ロナウドのゴールをお膳立てした実績を持つベンゼマにとって、エムバペの引き立て役はお手の物。その逆も然りで、エムバペが相手を引きつけてからベンゼマにゴールを託すといったかたちで、何度かビッグチャンスを生み出している。
頻繁にポジションを入れ替えるふたりのバランスをとるのが、グリーズマンの役割だ。ふたりの立ち位置を見ながら、攻撃時に中央にポジションをとって4−3−1−2に可変することもある。MGBトリオの結成によって、ロシアW杯優勝時以上の攻撃バリエーションがチームに備わったことは間違いない。
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