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ベンゲルにインタビュー。日本サッカーに辛口助言「強みと弱み」とは? (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Getty Images

「セスクには『自分を信じてプレーしろ。お前の才能を開花させてやる。ピッチ上では個性を出すことを怖れるな』と伝えました。アンリについては自分の力以上のものを引き出さなければいけないと思っていました。すでにスターだった彼に『寝ている場合じゃない』と伝え、より強くなるよう彼をうながしました」

 U-17スペイン代表の主軸だったセスクは、ベンゲルに見初められてバルセロナからアーセナルに移籍すると、さらに成長が加速。瞬く間にチームをけん引する存在となり、2008年には21歳にしてキャプテンに。スペイン代表としても欠かせない選手となった。

 イタリアのトップクラブでベンチに追いやられていたアンリは、ベンゲルの下でウインガーからセンターフォワードへコンバートされると、得点力が開花。在籍8シーズン中4度得点王に輝き、フランス代表としても確固たる地位を築いた。

 アーセナルで監督を行ないつつも、日本のサッカーも常にウォッチし続けてきたベンゲル。日本代表の選手たちについてはこんな感想を持っている。

「強豪国にはひとりふたりとスタープレーヤーがいて、難しい状況を打開できます。フランスにはジダンが、ブラジルにはロナウドがいました。スペシャルな選手は状況を変える力があります。過去10年間、日本にも優秀な選手はたくさんいましたが、ヨーロッパでスターになれるレベルではありませんでした」

 少々辛口にも聞こえるが、かつて日本の地で戦い、日本を愛しているからこそ、リップサービスではなく、本音を語ってくれたのだろう。さらにサッカーにおける日本人の強みと弱みについても明確に分析している。

「日本の文化はチームスポーツにおいて強みでもあり、弱みでもある。強みは、チームのために戦えること、お互いを助け合えること。弱みは、失敗を恐れること。失敗恐怖症です。プレッシャーのある状況で主導権を握りたければ、失敗を恐れてはいけません。海外にいけばよりわかりやすいと思います。ときに自分が周囲のレベルについていけないと感じることもあるでしょう。海外は特別なトレーニングや教育がなされているわけではありません。それでも彼らは世界で戦えるわけです。それは失敗を恐れないからです」

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