松井大輔が見たベトナムサッカー事情。実はベテランにとって厳しい環境 (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • サイゴンFC●写真提供 photo by Saigon FC

 しかも僕の場合、去年の11月の時点でケガをしていたうえ、こっちに来る前に胃腸炎を患ってご飯を食べられず、体重が4キロくらい落ちた状態だったので。開幕戦のピッチに立つのが精いっぱいでした」

---- 試合では4−2−3−1のトップ下でプレーしていましたが、なかなかボールが入ってきませんでした。チームが実践しているサッカーについてはどう感じていますか?

「現状、ボールをつなげないし、ディフェンスも落ち着かないので、なかなか僕のところにボールが入ってこない。僕がもらったとしてもファウルされてプレーが止まってしまい、受けてからからパスをつないだとしても、次かその次のところで相手に奪われてしまう。だから問題だらけです(笑)。

 メンバーが大幅に入れ替わったこともありますが、去年のカウンターサッカーがまだ残っていて、チームもオーガナイズされてないので、今はどこかを修正するというより、イチから作り上げなければと感じています。ただ、自分ひとりでできることではないので、周りとコミュニケーションを取りながら少しずつ変えていくしかないでしょうね。

 監督もつなぐサッカーを目指しているので、まずは自分のところにボールを入れてもらうところから始めて、そのあとに周りにどのように動けばいいのかを伝えて......。結局、自分が全部やらなければいけないんですけどね(笑)」

◆Jリーグ史上最大の移籍失敗例。代表クラスの超大物がまさかの結果に>>

---- Jリーグ初期の助っ人外国人選手のようですね。チームとして今シーズンの目標としていることはありますか?

「会長は『リーグ3位』と言っています。それと、今年はAFCカップにも出場するので、そこでも勝ち上がってできるだけ上に行きたいと。もちろん、そんなに簡単なことではないと思いますけど、目標は高いほうがいいですしね。だから今は、チームを強くするための具体策を自分のなかで模索しているところです」

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