日本を破ってW杯3位。クロアチアの「黄金世代」は引退後も貢献度大 (4ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko
  • cooperation by Zdravko Reic

 フランスW杯の日本戦ではシューケルへの決勝ゴールをアシスト。その後のルーマニア戦や準決勝のフランス戦でもアシストを決めている。引退してからも彼のアシストは続き、2006年からクロアチア代表で監督のビリッチのアシスタントコーチを務めた。

 左サイドの不動のレギュラー、ロベルト・ヤルニは2017年からU-19代表を率い(その後辞任)、GKドラゼン・ラディッチはU-21代表監督を経て、現代表監督ズラトコ・ダリッチの右腕を務めている。DFダリオ・シミッチやイゴール・スティマッチもサッカー界で要職を務めてきた。

 そして、残念ながら直前のケガでフランスW杯には出られなかったが、アレン・ボクシッチを抜きにこの世代を語ることはできないだろう。当時の代表監督ミロスラフ・ブラゼビッチは「ボクシッチ、シューケルの2トップがそろっていたら、我々は優勝できただろう」と、ことあるごとに言っている。

 2012年からしばらく、代表でサブコーチを務め、主に攻撃の指導をしていた。現在はテレビの解説者をしながら、選手時代に購入した小さな島に住み、水上スキーやヨット、そして特にテニスをして過ごしている。長女はテニスプレーヤーだ。

 母国の誇りと強さを見せつけた98年の代表選手たちは、いまもクロアチアサッカーを支えている。

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