中島翔哉に移籍のススメ。日本代表復帰に向けても重要な局面だ (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 その結果、今シーズンここまでの出場は、リーグ戦4試合とチャンピオンズリーグ4試合のみ(第10節終了時点)。リーグ戦第5節のジル・ビセンテこそスタメンを飾って決勝ゴールをアシストする活躍を見せたが、それ以外はすべて後半途中出場に限られている。リーグ戦のプレータイムは、わずか149分である。

 また、4−3−3、4−2−3−1、4−4−2、あるいは3バックなど複数システムを使い分ける今シーズンのポルトにおいて、中島が得意とする左サイドやトップ下のポジションにはオタヴィオ、ヘスス・コロナ、マテウス・ウリベ、ルイス・ディアスら多数のライバルがひしめく。

 さらに直近のリーグ戦のナシオナル戦、12月23日に行なわれたポルトガル・スーパーカップのベンフィカ戦で、中島は再びメンバー外に。序列は一向に上がる気配がない。

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 現在の中島のトランスファーフィーは、推定1200万ユーロ(約14億円)とされる。下降傾向にあるとはいえ、現在の中島にその金額を支払えるクラブはどうしても限られてくる。

 考えられるのは、すでに報じられているように、資金力のある中東のクラブへの完全移籍か、もしくは古巣ポルティモネンセなどポルトガルのクラブを筆頭とするヨーロッパ内のクラブへのローン移籍だ。後者の場合でも、中島がローン先でトップフォームを取り戻せば再びマーケットバリューが上昇するため、保有主のアル・ドゥハイルとポルトにとっても悪い話ではないはず。

 もちろん、すべての移籍話が破談に終わるケースも考えられるが、少なくともこの冬の移籍マーケットが中島のキャリアにとって極めて重要な局面になることは間違いない。2019年11月19日に行なわれたベネズエラ戦以来遠ざかっている日本代表復帰を果たすためにも、未来につながるポジティブな選択が望まれる。

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