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南野拓実をリバプールOBが褒めた。評価した場面はどこか? (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 ワンツーで強引に仕掛けたり、ドリブルで相手のマークを剥がしたり、あるいは縦方向にパスを入れたりと、いろいろと選択肢はあったが、南野は安全なプレーを選んだ。このシーンに限らず、どこかブレーキをかけながらプレーしているようだった。攻撃と守備のバランスを考えていたと思うが、意識しすぎるあまり仕掛けの動きは足りなかった。

 ただし、マクマナマンは闇雲に批判していたわけではない。「こういうプレーがもっと見たい」と語気を強めたのが、後半20分にあったチャンスの場面だ。

 最前線にフリースペースができると、南野はフリーランで前方に全力疾走。ミルナーからスルーパスを呼び込んだが、トラップが大きくなりシュートまで持ち込めなかった。マクマナマンは、このトライを強く褒めた。

「やはり、南野は前に仕掛けた時によさがでる。中盤の深い場所で走り回っている姿は見たくない。前線に近い位置で見たい。前所属のザルツブルクの時もそうだった。中盤から前線に駆け上がり、パスを受けたところで彼のよさが出ていた。昨年10月に行なわれたCLのザルツブルク対リバプール戦も同じだ。あの試合も、前への仕掛けの動きがゴールを呼び込んだ」

◆たぶんメッシよりすごかった。マラドーナにあった猛烈なエネルギー>>>

 ブライトン戦は、チーム全体としても南野の「縦方向の動き」が必要だった。この試合でレギュラー右SBのトレント・アレクサンダー=アーノルドが負傷欠場。攻撃参加を得意とするイングランド代表DFを欠き、リバプールは攻撃の厚みが足りなかった。

 とくに前半は、中盤以下の選手が前線に飛び出していくシーンが少なく、攻撃が停滞する一因となった。マクマナマンが「アレクサンダー=アーノルドがいないのだから、代わりに中盤以下の選手が前に飛び出していく必要がある。だから、南野には前に行ってほしい」と説明していたように、チームとしても南野のトライを必要としていた。だが、期待どおりの働きはできなかった。

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